8月26日、本広克行監督『UDON』の初日舞台挨拶が行われた。舞台上はまさに”ユースケ・サンタマリア ワールド”!!あいかわらずハチャメチャのコメントの嵐で、「ありがとう」に代わり「ありとゅ〜す!」を何とかはやらせたいらしく連発。会場は終始爆笑に包まれた。

 「飲んでもねえのにベロンベロン。Mr.ボディートークこと、元ピチカートファイブ、ユースケ・サンタマリアです!」

 
 ユースケに続けと、他の出演者たちもはっちゃけたコメントをし、観客たちを大笑いさせた。タウン情報さぬきの編集部員・青木和哉役を演じた要潤は自分のことを「香川県の昇り竜」と称したかと思えば、編集長・大谷昌徳役を演じた升毅は”うどん”の語源について語りだした。

 「映画観たらわかるとおり売り方がダイナミックなんです。それでうまさが”なんじゃこれっ!”って程うまい!
(U)売り方が(D)ダイナミックで(O)おいしさ(N)なんじゃこりゃっ!
これでUDONです。だからこれからは”うどん食い行こうぜ”といわずに、”ユー・ディー・オー・エヌ食い行こうぜ”といいましょう!!」

 しかし、笑わせるだけで終わらないのが、映画『UDON』。映画と同じように舞台挨拶にも真摯な感動があった。それが松井製麺所の主人・拓富を演じた木場勝己だ。

 「今日、映画を初めて観て落涙してしまいました。子供の時分、映画館は満員でした。よく立ち見になることがあったんですが、背の低い私は立ち見は見えませんで、親父の肩車に乗っかって映画を観ておりました。するとある日、あったかいもんでちょっと指先が濡れたんですが、頭にとっつかまって観てたんですけど、どの映画だったか全く覚えていません。そのことを思い出しました。」

 ユースケも「ハートを伝えたくてね」と語るように、たとえ1杯100円のうどんだけど、笑えて泣ける何とも贅沢な映画がここにある。
(林田健二)