7月7日憲政記念館にて映画甲子園2006シンボル映画『夏音—Caonne』完成披露試写会が行われた。登壇者には、本作が初監督作品となるIZAMを初め主要キャストが集合した。

映画甲子園2006は、マルチメディアネットワークが主催する今年が栄えある第一回目の映画祭だ。メインは高校生。「映画というフィールドで夏の甲子園のように、熱い大会を味わってもらいたい」という主催者側の熱い要望に応えるように、32の都道府県から69本の作品が寄せられた。
そして、今回、突然の出来事に背中をおされ、映画作りに没頭する高校生の姿を描いた青春映画『夏音—Caonne』がシンボル映画として選ばれ、完成披露試写会が行われた。本作は、映画祭に先立つ7月29日(土)より、短編映画館トリウッド、ポレポレ東中野、アップリンクXにて劇場公開される。

主演:讃役を務めた三浦アキフミは「この日を迎えられて本当に嬉しいです。いろんなメッセージが含まれていますが、かまえることなく楽しんでいただけると思います。みなさんにとって、一生忘れない七夕になることを願っています。」とコメントした。
そして、ヒロイン、夏音役の杉山彩乃は「本当に暖かい現場で、スタッフ・キャストの方々には優しくしていただき、楽しかったです。みなさんにとってなにかのきっかけになればいいな、と思います。」と話した。
讃がイダケン、トジらと映画を撮り始めた矢先に偶然出会った、讃の叔父聖仁は、「世の中金がすべてだ。」と讃たちを突き放す。夢を追うことを忘れた大人代表:聖仁役を加瀬大周が好演している。「『普通にやるな。』ということを言われたので、監督と1時間ほど役について話しました。まだ出来上がりをみていないので、これからみなさんと観れることが楽しみです。映画を観ていろんなことを考えてほしいです。」と話した。
そして、今回初監督を務めたIZAMは「みんなの力をもらって、初めて映画を撮ることができました。みなさんには今までやったことのない役をやって欲しかったので、いろいろ挑戦してもらいました。今揃っているキャストを観ていただければわかるように個性豊かなキャラクターばかりです(笑)本当にこの作品は、キャストをはじめ、製作側のひとりひとりの思いがこもった作品です。いい映画だと思ったら、ぜひ広めてください。僕がこの世界に出てきた時、賛否両論が起きたように(笑)、この作品でも賛否両論起きたらいい、と思います。」と会場を沸かせた。

初監督とは思えない、面白さとストーリーの豊かさが詰まった作品に仕上がっている。映画を観終わった後も、自分の高校生時代を思い出し、あの頃みたもの、あの頃しか見えなかったもの、あの頃から変わらないもの、自分の中の記憶に封印されている思いを柔らかく解き放ってくれる作品だ。映画甲子園2006シンボル映画としてこれ以上適任の映画はほかにないだろう。
(ハヤシ カナコ)