©「放送禁止」製作委員会

真実を積み重ねることが
必ずしも真実に結びつくとは限らない


ミニサイズの画像の上下に配置されたおなじみのこの言葉に、往年の『放送禁止』ファンは興奮を禁じ得ないだろう。

伝説のカルト番組であり、フェイクドキュメンタリー映像の原点『放送禁止』。「ある事情で放送が中止となったVTRを再編集し放送する」という設定、リアルな映像や巧妙な仕掛けが熱狂的なファンを生み出し、テレビ版7本、劇場版3本が制作された。

前作『放送禁止 ワケあり人情食堂』より8年ぶりの新作劇場版『放送禁止 ぼくの3人の妻』が全国公開中だ。

祈祷師を訪れた会社経営者、元モデル、看護師という3人の妻たち。トランス状態で口々に自分が夫を殺したと告白する。WEBデザイナーの夫を囲む4人の生活に一体何があったのだろうか。

これまで『放送禁止』シリーズは、大家族、ストーカー、隣人トラブルなどが取り上げられてきた。本作では、 “3人の妻”という日本において背徳感マシマシの恋愛リアリティショーを彷彿とさせるような設定に、下世話な想像をかき立てられる。VTRが映し出す、仲睦まじく一夫多妻制を実践する4人の暮らし。やがて迎える悲劇の真実とは。


本作の企画・脚本・監督は、もちろん『放送禁止』シリーズの長江俊和。このライフワークだけではなく、世界的ヒットとなったハリウッド映画の日本リメイクである『パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO/NIGHT』(’10)の監督では、オリジナルの世界観を踏襲しながら日本を舞台にした新しいストーリーで手腕を発揮。

小説の分野でも『放送禁止』の世界を活字に移植し、どんでん返しミステリーを次々に上梓。一作目の『出版禁止』(‘14)は、現在20万部超えのロングセラーとなり、続編『出版禁止 死刑囚の歌』も重版されるなど、禁止シリーズは、累計30万部を越える人気作となっている。

近年支持を集めている『事故物件 恐い間取り』(‘20)、『事故物件ゾク 恐い間取り』(’25)、『変な家』(‘24)、『近畿地方のある場所について』(’25)などモキュメンタリー映画への影響も多大だ。12年にスタートした『コワすぎ!シリーズ』も『放送禁止』の系譜に始まり独自の拡張を続けている。

また、『放送禁止』シリーズに影響を受けたとする人気YouTuber「だいにぐるーぷ」と、長江俊和がタッグを組んだTVerオリジナルドラマ『不倫禁止』が現在公開中だ。こちらも注目して欲しい。


きっとあなたは2度、映画館に足を運ぶ 。
そして彼女たちの言葉に嘘はないと気付くだろう。

分かりやすさが求められ、作り手がその流れに迎合することを余儀なくされる時代。
本作は、観客が自分の手で真実をつかむ興奮に引きずり込む。

目に見えるものが真実とは限らないが、
目に映るものは真実かもしれない。

(Text:デューイ松田)


作品情報

製作:長江俊和 小林良二 渋谷謙太郎 佐久間大介   企画:長江俊和  角井英之 春名剛生

プロデューサー:小林良二 嘉元規人 杉﨑朋子

ナレーター:鈴木ゆうこ
撮影:関村良  技術助手:杉原裕一 本田寛弥  美術:西沢和幸  制作担当:上林千秋 露木彩乃
演出助手:日向亜紗樹 米田雅 辻本貴宏  音響効果・MA:阿部祥高  CG:伊東崇典
制作プロダクション:NEBULA 配給:渋谷プロダクション
製作:「放送禁止 ぼくの3人の妻」製作委員会(NEBULA、渋谷プロダクション、フジテレビジョン、イースト)

監督・脚本:長江俊和
配給・宣伝:渋谷プロダクション
2025/日本語/ステレオ/ビスタ/98min
©「放送禁止」製作委員会