(左から)澤田直矢さん、長谷川千紗さん、塩田時敏監督

 映画評論家でゆうばり国際ファンタスティック映画祭に立ち上げから参加した塩田時敏の初監督作品『りりかの星』(2024年)が8月1日から1週間、札幌市の「サツゲキ」で上映された。

 札幌は塩田監督の出身地。サツゲキがある狸小路5丁目にはかつて「日活館」という二番館があった。本作のホームページのコラムによると、高校生だった塩田監督はここで深作欣二監督の『現代やくざ 人斬り与太』と出会って衝撃を受け、映画に関わる仕事に就くことを決意したという。いわば”聖地”での凱旋上映だ。

りりかの星メイン画像
(C)ぴんくりんくフイルム プロダクションGOZU



 本作は、突然ストリッパーになりたいと言い出した高校生の娘と父親の葛藤と和解を描く無声短編映画。第26回プチョン国際ファンタスティック映画祭や第19回大阪アジアン映画祭にも出品された。かつて塩田監督が作品に出演するなど縁が深い廣木隆一監督と三池崇史監督が名演&怪演を見せている。

「りりかの星」サブ画像
(C)ぴんくりんくフイルム プロダクションGOZU


 高校生の娘を水戸かな、娘の選択に動揺する父を廣木監督が演じる。彼女がストリッパーにあこがれるきっかけとなった踊り子・小室りりかが登場。三池崇史監督も意外な役で姿を見せる。異世界にいざなう案内人は俳優・監督として活動する長谷川千紗が務めた。


 8月6日の舞台挨拶には塩田監督と長谷川さんが登壇。ゆうばり映画祭のスタッフを長く務めた盟友・澤田直矢さんも駆けつけ、同窓会のような雰囲気で凱旋上映を祝った。
 なお、同映画祭はオンライン開催だったコロナ禍を経て運営主体が大きく変化。塩田監督はこの場でゆうばり映画祭の終焉を宣言し、今後、夕張市などで開催予定の映画祭は別物であることを強調した。

「りりかの星」サツゲキでの舞台挨拶3

(レポート:芳賀恵)

【作品情報】

りりかの星チラシ

『りりかの星』(2024年製作)
監督:塩田時敏 脚本:沢木毅彦 撮影:芹澤明子
キャスト:水戸かな、廣木隆一、三池崇史、長谷川千紗、小室りりか
製作・配給:ぴんくりんくフイルム/プロダクションGOZU
公式サイト:https://ririkanohoshi.com/

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