実話に基づく摂食障害の女性が辿る数奇な地獄ライド!映画『渇愛』8/16より関西公開スタート

映画『渇愛』がいよいよ関西へ!
2025年8月16日(金)より第七藝術劇場、9月19日(金)より出町座にて公開される。
監督を務めたのは、元小学校教諭の経歴を持つ岩松あきら。教え子と再会した際に聞かされた衝撃の実話を12年かけて掘り下げ、作品へと昇華させた。摂食障害、DV、家庭崩壊、マインドコントロールといった現代社会が抱える深刻な問題を炙り出してゆく。

岩松監督は、地元の愛知県で2009年に【三河映画】を立ち上げ、自主制作体制で作品を生み出してきた。「渇愛」では、手弁当で参加したスタッフや、大道具・小道具を提供した300人もの協力者、100人もの役者たちが本作の制作を支えたという。
これまでも【三河映画】として目指してきたのは、クオリティの高い地方発信の作品。その志通り「渇愛」は2023年、世界15大映画祭のタリン・ブラックナイト映画祭」のコンペティション部門に選出されワールドプレミア上映を果たした。
また、ゆうばりファンタスティック映画祭でも長編部門に選出。2024年には池袋シネマロサで公開され4週間のロングランを達成。名古屋シネマスコーレ、刈谷日劇(愛知)にて連日満席を達成した。

大学生の早紀(石川野乃花)は、取り巻きに囲まれる玲奈の美しさに惹かれ「痩せなければ愛されない」という強迫観念に囚われてゆく。やがて摂食障害に陥った早紀は山奥の療養施設へ入所する。そこで彼女を待ち受けていたものとは…?
早紀の父親は芥川龍之介の研究者であり、大学教授である。
「我々はしたいことをするものではない。ただできることをするものである」。
芥川が語ったとされる言葉が象徴的に登場する。
障がいを持つ姉の翔子(加藤睦望)が歌うように囁く「ただできることをするものである」が、早紀にとって呪詛でもあり救いとして機能する。
そして、物語が第2章といえるターンに入るその時に気付かされるのが、摂食障害やルッキズムはこの物語の入り口に過ぎなかった、ということだ。
第1章と第2章、それぞれのキーパーソンが手にしているのが、芥川の「地獄変」であることにも注目したい。

本作の主演・早紀役を務めたのは、アイドルグループ「Symdolick」の元メンバーである石川野乃花。
「これまでの自分をすべて捨て去る覚悟で、心も体も限界まで追い込みながら、この作品と向きあいました」とコメントしている。

姉・翔子役は、愛知県出身で「やみ・あがりシアター」の加藤睦望が好演。
名古屋のアングラ演劇で約50年活躍し、2019年に逝去した先生役・火田詮子の怪演も見逃せない。

「渇愛」という地獄の中で、もがく早紀が辿り着く先をぜひ見届けて欲しい。
(Text:デューイ松田)
作品情報

『渇愛』
出演:石川野乃花、加藤睦望、新藤栄作、大島葉子、火田詮子、高橋慎祐
監督・編集:岩松あきら
脚本:清水雅人
撮影:沓澤武志
助監督:荒川慎吾、高橋佑奈
メイク・ヘアメイク・特殊メイク:岩井菜摘
制作担当:彬田れもん、竹内宏司
特殊メイク・特殊効果:山本キョージ
美術:山本 晃詳、大崎勇人
音楽:パウロ鈴木。
照明協力/ 古川良則
プロデューサー:岩松あきら
配給:ラビットハウス
2025年│日本│カラー│16:9│5.1ch│日本語│136min.50sec