韓国の弘済洞火災惨事事件を基に描く映画「消防士　2001年、闘いの真実」その時現場で何が起こったのか？

2025年7月4日（金）より、「消防士　2001年、闘いの真実」が全国公開される。
韓国では 2024 年 12 月に公開。「破墓／パミョ」「犯罪都市　PUNISHMENT」などに次いで、年間の興行収入で国内映画のトップ5にランクインする大ヒットを記録した。

本作の基になったのは、2001年3月4日に発生した「弘済洞（ホンジェドン）火災惨事事件」。

映画「消防士　2001年、闘いの真実」のこの場面写真をよく見て欲しい。何か違和感はないだろうか。
……軍手！そう。彼らが手に付けているのは軍手なのだ。この点だけを見ても、当時の消防官がいかに劣悪な装備で火災現場の対応に当たっていたのかが伺える。

実際の事件で対応にあたった消防官から犠牲者が出たことで、彼らの装備や待遇、劣悪な環境が広く知られ大きな話題となり、消防官の待遇改善のきっかけになったという。

また、消防官は各広域市や道の消防本部に所属していたが、本事件により国家職化への議論が起こった。以降いくつかの大きな火災事件を経て更に、2017年の堤川（チェチョン）スポーツセンター火災、2018年の密陽（ミリャン）セジェ病院火災での犠牲により、消防官を国家公務員とするよう法改正が行われたという。

本作のメガホンを取ったのは、大ヒット作品「友へ チング」、「チング 永遠の絆」、「極秘捜査」「長沙里 9.15」などのクァク・キョンテク監督。
隊員たちは決して命しらずのヒーローたちではなく、送り込まれる壮絶な火災現場で献身を尽くす。そんな現場と、同僚や家族とのごく普通の日常が地続きの生活であることを描き出す。

新人消防士・チョルン（チュウォン）は、西部署に配属された当日、訓練から想像もしなかった過酷な火災現場の洗礼を受ける。失意のチョルンだったが、厳しくも優しい先輩隊員たちのサポートで消防士として経験を積んでいく。そんな中、3 階建てのアパートで火災が発生。崩壊寸前の建物に隊長から撤収の命令が下されるが、班長のジンソプ（クァク・ドウォン）らは要救助者の捜索を続ける―。

新人消防士・チョルン役は、「烏鵲橋（オジャッキョ）の兄弟たち」「グッド・ドクター」など、数々のドラマのヒットにより「視聴率王子」と呼ばれるチュウォン。過酷な現場の中でもがき、反抗しながらも成長していく姿を好演した。

カン隊長役にユ・ジェミョン（「梨泰院クラス」「劇映画 孤独のグルメ」）、班長ジンソプ役にクァク・ドウォン（「哭声／コクソン」「アシュラ」）、ムードメーカーのヒョジョン役にオ・デファン（「元カレは天才詐欺師 〜38師機動隊〜」「デビルズ・ゲーム」）。クセの強い役柄が印象に残る名優たちだが、対立する場面での新鮮な演技は注目に値する。

「英語で消防士ってなんて言う？」「ファイヤーマンか？」
隊員たちのそんな会話に班長のジンソプが言う。
「ファイヤーファイターだ」。
劇場で不屈のファイヤーファイターたちの勇姿を見届けて頂きたい。

「消防士　2001年、闘いの真実」公開情報

7月4日（金） シネマート新宿ほか全国ロードショー

監督：クァク・キョンテク『友へ　チング』

出演：チュウォン「カーター」、クァク・ドウォン「哭声　コクソン」、ユ・ジェミョン「梨泰院クラス」、イ・ユヨン『ザ・ソウルメイト』、キム・ミンジェ「新感染半島　ファイナル・ステージ」、オ・デファン「デビルズ・ゲーム」、イ・ジュニョク「犯罪都市NO WAY OUT」、チャン・ヨンナム「オオカミ狩り」

2024年／韓国映画／韓国語／106分／シネスコ／5.1ch／字幕：本田恵子／G

原題：소방관／英題：Firefighters／提供：ニューセレクト／配給：アルバトロス・フィルム

HP：firefighters.jp

公式SNS:
・公式X： https://x.com/albatrosasia

・TikTok： https://www.tiktok.com/@albatros_film

（Text:デューイ松田）