映画『真夜中の五分前』台湾金馬映画映画祭 記者会見
本作は、行定勲監督がオール上海ロケで撮影に挑み、美しい双子の姉に恋をした日本人青年(三浦春馬)が迷い込んだ不可思議な愛の世界を描く、ロマンティックなミステリー。原作は、本多孝好著『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A/side-B』(新潮文庫刊)ベストセラー恋愛小説から、舞台をアジアへ移し、原作の良さを活かしながらも、妖艶さを加え、映像化に成功。主演は『永遠の0』やドラマ「僕のいた時間」で人気・実力を兼ね備えたスターとしてその輝きを増し、注目の話題作『進撃の巨人』の主演としての期待も高まる三浦春馬。共演に中国の国民的ドラマ「宮廷女官 若曦(ジャクギ)」のヒロインとして若手トップスターに登り詰めるリウ・シーシー(劉詩詩)、台湾で年間視聴率1位を獲得した「最後はキミを好きになる!」の主演や映画『GF*BF』で日本での人気も高まるチャン・シャオチュアン(張孝全)。アジアで高い人気を誇る行定監督のもと、日本・中国・台湾の注目スターが集結しました。
現在台北で開催中の金馬影展での「真夜中の五分前」の上映に伴い行定勲監督が、12日の午後、上映前に記者会見に出席。監督は風邪気味のようだったが、台湾記者の熱心な質問にひとつひとつ丁寧に答え、監督が台湾版の脚本を書き、名物のえび釣りのエピソードの実体験を話すと、会場からは爆笑が起きたりという楽しい記者会見となりました。
登壇者のコメントは以下の通りです。
【イベント概要】
◆日程 :11月12日(水)
◆登壇者:行定勲監督(46)
Q)キャスティングについて聞かれると…
行定:中国サイドのプロデューサーから提案される前に「花蓮の夏」を見てチャン・シャオチュアン(張孝全)に関心を持ち、その後「GF*BF」「失魂」など出演映画はほとんど見ているそう。「最初は物静かで消極的とも見えるアプローチだったが、撮影を重ねていくうちに変わっていき色々な表現が出てくるという、僕にとってとても好ましいタイプだった。包容力のある男の狂気を演じてもらいたかったので、満足している」と賞賛。
本作のヒロインは双子だが、これまでのそれぞれの個性を強調したものではなく、リウ・シーシー(劉詩詩)にはそっくりなふたりを演じてもらいたかったそうだ。面接で決定したリウ・シーシーは、「とてもナチュラルに演技をする女優で、日本にはいない自然体で心情を表現する人、とてもやりやすかった」と語っている。
Q)そして全編自ら中国語の台詞をこなしている三浦春馬さんについては?
行定:「たいへんな努力家で、自分の声で中国語の台詞を届けたいと言って頑張った。もともとこの役は上海に来て一年くらいしか経っていないという設定なので、問題なかった」と言う。
Q)アジアで一緒に仕事をしてみたい俳優は?
行定:「友人でもありますが、チャン・チェン(張震)ですね。いつもぜひ一緒にやろうと話しているのだけど…。あとはグイ・ルンメイ(桂綸鎂)が好きですね。機会があったらぜひ
Q)何故海外で本作を撮ったのか?
行定:今の日本ではわかりやすい映画が多く、観客に見方を委ねるような作品を撮るのが難しくなっている。それならば海外で、と挑戦した。
日本では全員が先回りをして進めるのだけど、中国ではリーダーの支持でみんなが動くので、時間がかかり、それに慣れるまでがたいへんだった。それに、街中で撮影しているとどこにいても必ず警察がくる。日本だと許可をもらえばスムーズに撮影できるのだが、習慣の違いでしょう。現地の映画人の苦労もわかりました。
本当は台湾を舞台にして撮りたかった。台湾バージョンでは
デートでエビ釣りのシーンを書いていたのですよ。いつか別の作品でぜひエビ釣りのシーンを使いたいと思っていて・・(台湾の記者たち、大爆笑)
Q)なぜ、えび釣りなのか?
行定:エビ釣りというのは、日本の釣り堀のような屋内施設のプールにエビが放流されており、それを釣ってその場で焼いて食べるというもの。これをシナリオ・ハンティングで台湾に来て興味を持った監督が、実際に自分で釣りに行ったところ、マレーシア人と思われる男性からピータンをもらい、内心不安だったが食べてみたら、案の定お腹を壊したそうだ。この体験をそっくりそのまま脚本に書きました。「のマレーシア人はアレックスという名前だった。(苦笑)
Q)何匹釣れた?
行定: 4匹かな。すぐに焼いて食べたけど、アレックスが塩を振りすぎてしょっぱかった。