映画『共喰い』第66回ロカルノ国際映画祭にて、YOUTH JURY AWARD最優秀作品賞、ボッカリーノ賞最優秀監督賞、ダブル受賞の快挙!!
第146回芥川賞受賞作・田中慎弥の同名小説を、日本を代表する監督・青山真治が映画化した、今秋最大の話題作『共喰い』が、現在スイスにて開催中の第66回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門にて上映され、「YOUTH JURY AWARD最優秀作品賞」と「ボッカリーノ賞最優秀監督賞」の2賞を見事受賞致しました!!
YOUTH JURY AWARDは若い審査員たちが選ぶ賞、また「ボッカリーノ賞」はスイス国内の批評家たちが選ぶ賞、です。YOUTH JURY AWARDの審査員は本作に対し「監督は繊細なテーマを知性を持ってシンプルに表現し、その世界観は力強く豪華なキャスティングによってさらに昇華され、地方の小さな街の澱みに暮らす人々の居心地の悪さや不快感をみごとにスクリーンに再現することに成功している。不運にも受け継いでしまった父親の人間としての劣性と向き合い、深い苦悩を抱える主人公の遠馬の心と体の成長を、彼を取り巻く女性たちが力強く支える傑作である本作に最優秀作品賞を贈ります」と絶賛のコメントを寄せています。
今年66回目を迎えるロカルノ国際映画祭は、カンヌ・ベルリン・ヴェネチアに並ぶ国際映画祭で、すぐれた才能を早くから発掘することに定評があり、青山真治監督にとって同映画祭での受賞は、審査員特別賞を受賞した『東京公園』(11)以来2度目となります。
15日に行われた上映では、全3000席の会場が、過去受賞作を持つ人気監督である青山真治の「ワールドプレミア」とあり、満席となりました。上映前に、まずは主演の菅田将暉さんが、イタリア語で「ロカルノに来られて嬉しいです」と話し、最後に「以上!」という意味の、BASTA!と言い、どっと会場を湧かせました。その後青山監督が「8/15という日本人にとって大切な日に私の第二の故郷であるロカルノでワールドプレミアとしてお披露目できて嬉しいです」と話しました。
上映終了後は、海外映画祭では珍しく、エンドクレジットが終わるまで席を立たない観客が多数続出。すべてのクレジットが終わると、熱い拍手が湧き上がりました。さらに出口では、青山監督、そして主演の菅田将暉さんに、自分の感想を告げたい人の列ができたほど、観客の熱が冷めやまない状況でした。菅田将暉さんへは、若手の役者の魅力を引き出すことで定評のある青山作品での初主演の印象を聞かれることが多く、また、監督のところへ、各国の映画祭関係者やスタッフが「今年のロカルノで一番の傑作」とわざわざ伝えにくるシーンが何度も見受けられました。
青山監督、菅田将暉さんの感動のコメントは以下。
■青山真治監督のコメント
『共喰い』の世界と主人公遠馬の苦悩が、若い人たちに理解されたことが何よりも嬉しいです。これからのみなさんにとってこの映画が記憶に残るものにならたら幸せです。そのように映画を理解してくれたことをとても心強く感じます。みなさんの女性の力に対する理解がこの作品によって深まったとしたら、この映画を作った甲斐があると思います。
■主演・菅田将暉さんのコメント
『共喰い』の遠馬は19歳の自分の全てをさらけ出した作品です。だからこそ、日本以外でも若い世代の皆様に遠馬の葛藤が届いた事が何より嬉しいです。心から感謝しています。『共喰い』を経て、俳優として人の心に残る作品を産み落としていけるように頑張ろうと改めて思いました。全力でもがいていきたい、と。自分の生きる指標ができました。本当に感謝です。