2006年、木村拓哉とコラボレーションを組み藤沢周平の原作をもとに描いた山田洋次監督時代劇三部作、最終作となり話題を呼んだ『武士の一分』(海外タイトル『Love and Honor』)がNYマンハッタン内のTwoBootsPioneerTheaterにて8月1日から7日まで上映された。

山田洋次監督の時代劇作品は2002年日本アカデミー賞で12部門受賞し、米国アカデミー賞外国語映画部門にもノミネートされた『たそがれ清兵衛』。2004年ベルリン国際映画祭コンペティション部門など世界各国の映画祭で上映され、海外の観客の共感を再び集めた『隠し剣鬼の爪』がある。

上映2日目となった8月2日に本作のプロデューサー兼脚本を担当した山本一郎プロデューサーの舞台挨拶が行われた。

上映前には方言を英語字幕で表すことは困難ということもあり、本作の舞台が海外からの認知度の高い東京や大阪といった都市ではなく東北地方を舞台にした侍の映画であり、劇中では庄内弁といわれる東北地方の方言を喋っているということを山本プロデューサーが説明し、日本人以外のお客さんにも方言を認識してもらえるよう図っていた。
また「台本の色を何色にするか決めることは凄く重要なこと。落ち葉のイメージからこの色になりました。」と鮮やかなオレンジ色の撮影台本を片手に熱心に語っていた。
拍手が沸く中上映は終了、山本プロデューサーを交えたQ&Aが行われた。

日本人と外国人との間で狙った笑いのつぼは一致していましたか?という質問に対し「会場から笑い声が聞こえてたので良かったです。笑ってもらえるということは物語全体を理解してもらえたのではないですかね。」と笑みを浮かべながら語った。

これから世界各地で上映が決まっている映画『武士の一分』。
日本の侍魂が世界に広がることを期待したい。

(Report:大野恵理)