3月6日、帝国ホテルにて『タイフーン』来日記者会見が行われた。
監督を務めるのは『友へ/チング』でそれまで『シュリ』が持っていた500万人という観客動員記録を820万人に更新したクァク・キョンテク監督。父親が北朝鮮出身者である彼が長年温めてきた企画に、韓国映画史上最高の製作費180億ウォンを投入し、世界的にスターであるチャン・ドンゴンを主役に迎えたのが、今作『タイフーン』である。

「こんにちは。またお会いできて嬉しいです」と日本語で挨拶したチャン・ドンゴン。南北分断が生み出す悲劇の主人公、シンについて「最初は”海賊”という役に惹かれていたので、キャラクターや言葉遣いに重点を置いていました。しかし、実際に脱北者と会い、表面上だけで演じていてはいけないと思いました。この映画を期に、南北分断ということに関心をもつようになりました」と話した。
シンのライバルとなるカン・セジョンを演じたのは、これまでにロマンスやコメディー作品の出演が多かったイ・ジョンジェ。今作では念願の男性的な役に挑戦できたという。海軍大尉役ということで、数ヶ月にも及ぶ特殊部隊のトレーニングで強靭な肉体を作り上げたという。見せ場となるアクションシーンについて「撮影初日までに体を作り上げたのですが、それでは満足できずにそのシーンを最後にしてもらい、撮影中もトレーニングをして、さらに体を作り上げました」と、役に対する貪欲さを伺わせた。
シンの姉ミンジュを演じた韓国を代表する女優イ・ミヨンは、「弟のシンと再会するシーンが印象に残っています。この作品に出演し、韓国が分断国家であるということを再認識することができました」と話した。
最後にクァク・キョンテク監督は「この作品で、現在も共産主義の北朝鮮という国が現実に存在し、疎外されている脱北者が存在することに関心を持ってもらえればと思います。ただ、映画のメッセージはメッセージとしてそのまま受け取ってもらい、映画は楽しんで観て欲しいです」と語った。
(suzuki)

★2006年4月8日、全国東映系にてロードショー

□作品紹介『タイフーン TYPHOON  』