初恋のあった場所を覚えていますか?
二人の変わらない愛が、あなたを優しさで包む…。

本日『雨鱒の川』初日舞台挨拶が、今日から渋谷の街に新しくオープンした劇場、アミューズCQNで行われた。会場は超満員。新しい劇場は初日の朝から熱い熱気を帯びていた。そんな中、本作に出ているゲストの皆さんが登場。登壇したのは、磯村一路監督(『がんばっていきまっしょい』『解夏』)、心平役の玉木宏さん、小百合役の綾瀬はるかさん、8歳の心平役の須賀健太くん(子役)、8歳の小百合役の志田未来さん(子役)、心平の母・沙月役の中谷美紀さんの総勢6名。早速お話を伺った。
監督は「今日、初日を迎える映画が多い中この作品を選んで来てくれた皆さんありがとうございます。」と挨拶し、司会者からキャストの方達の印象を聞かれると「中谷さんにはお母さん役をお願いしたが断られると思っていました。でも幸い原作を気に入ってくださり、この役を引き受けてくれ感謝しています。玉木さんはまた一緒に仕事したい役者です。綾瀬さんは、彼女の役は観て貰えれば分かるがセリフが一切無いのです。耳が不自由な役ですから。ですから手話を覚え、非常に頑張って取り組んでくれました。子役の子達も含め、またぜひ会いたいキャストの方達です。」と笑顔で答えた。
中谷さんもお母さん役を引き受けた事について「私は普段素直じゃないんですが、今回本作の台本を読んで素直に感動して優しい気持ちで演じられました。本作に関わって初めて子供が欲しいな、と思いました。」と本当にお母さんのような表情で語った。そして劇中、子守唄を8歳の心平におんぶして聞かせるシーンがあるがなんとその子守唄の歌詞は中谷さん本人が作ったというのは驚きだ。ぜひチェックしてママっぷりを観て頂きたい。
綾瀬さんはこの作品を試写で観て4回も涙を流したという。思わず泣いてしまうシーンというのが「心平と小百合の恋愛を応援してくれるおばあちゃんとのやり取りのところ」との事。「綾瀬さんはすぐ僕のマネするんですよ。撮影前はおしとやかなイメージだったが、演技に入ってからは良い意味で裏切られました。おかげで気楽に自然に演じられました。あと初恋がテーマなのでじっくりゆっくり観て頂ける作品だと思います。」と語るのは玉木さん。子役のお二人も立派に挨拶をし、その様子は観客全員がママのように温かく見守っていた。
そして最後監督が観客席に向かって声を投げかけたかと思うと、本日はなんと原作者の川上健一さんが来場していたのだ。監督は「原作者の川上さんがいるから言う訳ではないが、この作品の原作は本当に素晴らしく優れたもの。映画とはまた少し違う感じの部分もあるので、原作もぜひ観て頂きたい。」と敬意を称し、それには川上さんも嬉しそうだった。
今ここにいる皆がいたからこそ完成された作品『雨鱒の川』。玉木さんも言っていたがぜひじっくりと観て、そして大切な何かを感じてもらいたい映画だ。
(菅野奈緒美)

□11月13日よりアミューズCQNにて公開。全国順次ロードショー!

■作品紹介
雨鱒の川