2002年6月22日より、Bunkamuraル・シネマにてロードショー公開の映画『春の日は過ぎゆく』。その初日舞台挨拶が、Bunkamuraル・シネマで行われた。

ゲストとして、ホ・ジノ監督とサンウ役を演じたユ・ジテ、そして応援ゲストとしてアジア映画でも活躍中の瀬戸朝香が登場。短い時間ながら作品について語った。また、舞台挨拶の後には、100人のファンを招いた「『春の日は過ぎゆく』ファンの集い」も、Bunkamuraオーチャードホールビュッフェで行われ、こちらも大盛況だった。

今回は、舞台挨拶のコメントの一部を紹介する。

−−サンウ役にユ・ジテさんを、ウンス役にイ・ヨンエさんを起用した理由は?
ホ・ジノ(監督)
ユ・ジテさんは、最初にお会いしたときに清らかなイメージがあったんです。とても純粋な人だなぁと思い、サンウのイメージと重なるところがあって、出演をお願いしました。
イ・ヨンエさんは、お会いするまでは「かわいらしい」というイメージがあったんです。でも、実際にお会いしてみたらかわいさだけではなくて、ある時には男性的な強さも持っていてバラエティに富んだ方だと思い、そこが魅力で決めました。

−−最終的な仕上げを日本で行った感想は?
ホ・ジノ
素晴らしかったです。この作品はサウンドがとても重要で、そのミキシングの作業を日本の松竹サウンドスタジオさんにお願いして一緒に作業をしました。

言葉は違いますけど、一緒に仕事をしながら一つの作品を作り上げていくのは本当に楽しかったです。韓国で仕事をするよりも面白いと感じたときもありました。次の作品も日本のスタッフと一緒に作りたいと思います。

挨拶
ユ・ジテ(サンウ 役)
この映画『春の日は過ぎゆく』は、誰もが自分の過去に思い当たることがあることを描いています。今日は楽しんでいってください。

−−ホ・ジノ監督の演出はいかがでしたか?
ユ・ジテ
難しい質問ですね…。監督は細部にまでこだわり、細かいところまできっちり作られる方です。私は俳優である以前に「映画を学ぶ学生」でもあって学生の立場で考えると、目と耳を鍛えてくださった気がします。ものを見る「目」、人の声や音を捉える「耳」を生かす秘訣を学びました。本当に立派な監督さんだと思います。

−−撮影前にホ・ジノ監督とどのようなお話をされましたか?
ユ・ジテ
なるべく正直に映画を撮りたいという気持ちがあったので、まず「映画の中で嘘をつかないで撮る方法は何か」ということを相談しました。また「そのためには、どういう演技をしたらいいのか」ということも話し合いました。ほかに、よく一緒にお酒も飲みにいきました(笑)。

−−映画を見た感想は?
瀬戸朝香
一言で言えば「切ないラブストーリー」なんですけど…愛する女性に振り回されるサンウが、見ていてちょっと辛かったです。でも、「私ならどうするだろう?」と、女性の立場に立ってみたら、とても考えさせられる作品だなと思いました。

□作品紹介
春の日は過ぎゆく