「台湾映画上映会2026」、札幌で『海をみつめる日』上映
台湾駐日本代表処の台湾文化センターが主催する「台湾映画上映会2026」の最初の上映会が5月16日、北海道大学学術交流会館で行われた。

ワン・トン(王童)監督の1983年の作品『海をみつめる日』(原題『看海的日子(台語版)』)を上映。幼い頃に養父に妓楼に売られた女性が故郷の山村に戻り、子どもを産んで母になろうとすることで自分の尊厳を取り戻していく物語だ。主演は『本日公休』(2024年)で24年ぶりにスクリーンに復帰したルー・シャオフェン。同名小説の作家、黄春明が自ら脚本を手がけている。

上映後には本上映会のキュレーターを務めたリム・カーワイ監督と台湾文学研究者の唐顥芸氏(同志社大学准教授)によるトークが行われた。唐氏によると原作小説は1967年に発表されたが、当時は小説や映画が台湾社会の現実を描くことに対する批判が強く、政治的に問題視されることもあった。台湾映画が現実社会を描くようになったのは80年代から。これは台湾ニューシネマの台頭とも関連している。

リム監督は「女性差別や搾取を批判する映画は多いが、ワン・トン監督は差別を超えて同じ目線で主人公を対等に描いているのが新鮮。自分の人生を切り開く女性の強さを感じさせる」と評価した。

主人公の母や村人たちが、お腹の子どもが男の子であることを願う描写は時代を感じさせる。唐氏は「現代から見ると不思議だが、彼女は女性だからこそそのような(売買の対象になる)運命になったという思いがあっただろう。息子なら自分とは違う人生になると考えたのでは」と分析した。

台湾映画の多様な魅力を届ける台湾映画上映会は、このあと10月24日まで大阪や東京などで開催される。
(リポート&撮影:芳賀恵)
「台湾文化センター 台湾映画上映会2026」

*参加無料、事前申し込み制。申し込みは各回7日前の昼12時よりPeatixで先着順で受け付ける。Peatixは事前登録が必要。
<Peatix> https://taiwanculture.peatix.com/
*シネ・ヌーヴォのチケットはPeatixではなく劇場HPで扱う。
<今後の上映会スケジュール>
■5月30日(土):大阪大学(豊中キャンパス)/大阪大学会館講堂
上映作品:『あの写真の私たち』
■6月7日(日):ユーロライブ(東京都渋谷区)
上映作品:『余燼』、『タイペイ、アイラブユー』、『うなぎ』
■7月11日(土):京都大学(吉田キャンパス本部構内)/HORIBAシンポジウムホール
上映作品:『小さな町の恋 デジタル・リマスター版』
■7月18日(土):中央大学(多摩キャンパス)/3号館3551教室
上映作品:『今夜は帰らない デジタル・リマスター版』
■7月25日(土):慶應義塾大学(三田キャンパス)/北館ホール
上映作品:『宵闇の火花』
■8月1日(土):日本映画大学(新百合ヶ丘キャンパス)/大教室
上映作品:『夜明けの前に』
■9月19日(土):ユーロライブ(東京都渋谷区)
上映作品:『燃えるダブルス魂』、『夫殺し デジタル・リマスター版』、『甘露水』
■10月4日(日):シネ・ヌーヴォ(大阪市西区)
上映作品:『余燼』、『猟師兄弟』、『金魚の記憶』、『深く静かな場所へ』
■10月24日(土):台湾文化センター(東京都港区)
上映作品:『荒野の夢』
<台湾文化センターHP>
*上映作品の概要、トークイベントの情報はこちらへ
https://jp.taiwan.culture.tw/