挑戦を続けるレジェンドたちのオムニバス8ミリ映画『クロベニグンジョウシロレモン』《映画作家・崟利子特集》にて上映!@ポレポレ東中野
11月8日よりポレポレ東中野にて映像作家・崟利子監督初の劇場公開作品『じぶん、まる! いっぽのはなし』が公開中だ。
その公開記念プログラム《映画作家・崟利子特集》にて、崟利子・宮田靖子・小口容子・小田香のオムニバス8ミリ映画『クロベニグンジョウシロレモン』が11月8日、11月11日、11月14日と計3回上映される。ぜひレジェンドたちの作家性の違いが楽しんで欲しい。
4人のレジェンド映像作家たちの出会い
2022年12月の京都、ある映画祭の打ち上げで出会った崟監督と宮田監督。今までデジタルで作品を撮って来た崟監督がいつかフィルムで撮りたいと思っていたことから、宮田監督に「一緒にやりましょう!」と誘いかけ、映像作家の戸屋幸子さんが「制作をやりますよ」と宣言した。偶然私もその場におり、実現したら凄いな!と少し興奮したことを覚えている。
翌年の6月に小口監督、小田監督が参加。“モチーフは『色』”、“新作”、“短編”、“8ミリ”というしばりの下、フィルム・撮影機材・現像など全ての困難を乗り越え、レジェンド4人の映像作家・映画監督のオムニバス8ミリ映画『クロベニグンジョウシロレモン』が完成した。
本作は、2024年2月、恵比寿映像祭2024で初上映。同年11月に大阪/シネ・ヌーヴォ、12月に神戸映画資料館にて上映。今年2月に金沢美術工芸大学の【Touchable Images】で特別上映されて以来、久々の上映となる。

『ヴァンダ12年』監督:崟利子
初めてのフィルム撮影は想像を絶する過酷さだったという。自宅の庭のリスボンレモンと伊丹市周辺を撮りながら、パレスチナ問題とガザの空爆について示唆された作品。
崟利子(たかし としこ)
大阪生まれ。福田克彦監督の助監督、東京レズビアン&ゲイ映画祭(1992、93)のディレクター等を経て、『西天下茶屋・おおいし荘』を制作。『Blessed ─祝福─ 』(2001、山形国際ドキュメンタリー映画祭2001)は、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞受賞。近作に、『ゆっくりあるく』(2022)、『じぶんまる いっぽのはなし』(2023)。

『白々』監督:宮田靖子
宮田監督がゴリゴリの実験作家であることを証明した作品。長年シングル8で撮ってきたが、初めてスーパー8でコマ撮りを行った。白い光との格闘の記録。
宮田靖子(みやた やすこ)
1956年生まれ。1976年初めての8ミリフィルム作品を作る。1977年福岡の映像作家集団〈フィルム・メーカーズ・フィールド〉(FMF)に参加し、現在まで散発的に制作とシネマテーク活動を続ける。

『アマミノクロウサギとベニテングダケ』監督:小口容子
どこまでも映画に誠実な小口作品。一見軽やかな作風ながら、役者の即興芝居と別撮りした音声のずれに、微かにはらんだ狂気が覗く。
小口容子(おぐち ようこ)
1964年生まれ。1984年より映像作品を制作。1988年ぴあフィルムフェスティバルで『エンドレス・ラブ』が入選。2006年イメージフォーラムフェスティバルで『ワタシの王子』がグランプリ受賞。8ミリフィルムにこだわって活動中。

『Lighthouse』監督:小田香
灯台や工場の明かりの遠景を、父親の船の上から撮影したという作品。その不安定さが現在の世界情勢と重なるかのようだ。
小田香(おだ かおり)
1987年大阪府生まれ。2013年、タル・ベーラが指揮するfilm.factoryに参加。主な監督作品として『鉱ARAGANE』(2015)、『セノーテ』(2019)など。2020年、第一回大島渚賞受賞。2025年、最新長編『Undergroundアンダーグラウンド』劇場公開。
(Text:デューイ松田)
『じぶん、まる!いっぽのはなし』公開記念《映画作家・崟利子特集》
Aプログラム『クロベニグンジョウシロレモン』上映情報
●11/8(土)18:20《崟利子特集》Aプログラム上映後舞台挨拶:小口容子(監督)、戸屋幸子(制作)、崟利子(監督)
●11/11(火)18:20《崟利子特集》Aプログラム上映後トークイベント:小松浩子(写真家 第43回木村伊兵衛写真賞受賞)、小口容子、崟利子
●11/14(金)18:20《崟利子特集》Aプログラム上映後
舞台挨拶:西山真来(小口容子監督作『アマミノクロウサギとベニテングダケ』主演) 、小口容子
【特集上映全体の情報はこちら】→https://pole2.co.jp/coming/68fcbacfec509f5358af0fc1
崟利子監督『じぶん、まる! いっぽのはなし』上映情報→https://pole2.co.jp/news/690368601d384162386c3575