ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の期間中に 何人かの方にお話を伺った。映画祭の先へ向かう視線が垣間見えたようだ。

先ずは、ファンタランド大賞(観客賞)で【ゆうばり市民賞】を贈られた『大怪獣チャランポラン祭り鉄ドン』プロデューサーであり、参加監督の一人であるおかひできさん。

 

仕事も、自主映画も人生の一場面

――ゆうばり映画祭でも毎年恒例となって来た『鉄ドン』、今回は怪獣特集でしたが、いつから企画されていたんでしょうか。

おか:結構前だね。1本目で『フールジャパン ~ABC・オブ・鉄ドン~』を作ったときに、このスタイルで怪獣映画やれたらいいよねって言ってたんで、もう3年前からです。紆余曲折があって資金が集まらなかったり、色々なことがあったんだけど思い切ってスタートさせました。

 

――今回市民の皆さんに受け入れられましたね。子供たちもほんとに楽しんでましたね。

おか:やりたかったことを全部やり尽くして、皆さんに楽しんでもらったのが良かった。夕張まで怪獣の着ぐるみを運ぶって大変なんだけど、それも含めて今回の企画だと思ってたから。それで子供たちと雪合戦やれて、全部夢が叶った感じで嬉しいです。ほんと嬉しい。

 

――今回クロージングで泣けてしまったんですが、それは自分が小学生の頃と同様に物語の力を未だに信じていて、ぐっときたんだと思うんです。

おか:そうだと思います。全部自分自身をむき出しにしたような内容なので。僕がそういうものを信じてるってことなんでしょうね。誰にも遠慮なく作れた完全な自主映画なんで。怪獣はどこから来るのって聞かれたら、みんなの幸せだった子供の頃の心の中から来るんだよって。そんなテーマの話になりましたね。出来上がるまではハッキリしてなかったんですけど、作りながら気づいていくような作業でした。今まで鉄ドンは作品がバラバラだったんだけど、それをゆるくひとつながりにできるクロージングフィルムはあった方がいいなと思ってたんで、それが今回やっと実現したことも嬉しかったかな。28本、ワンパッケージに見えたとしたら成功だと思います。

 

――今回の企画や効果的な宣伝活動を見ていると、おかさんたち昔から参加している方が主導だったと感じました。若い世代の力は育っていますでしょうか。

おか:それは業界?それとも鉄ドン?

――鉄ドンのことですが、大きく見て業界のことでも結構です。

おか:新しい世代はひたひたと言う感じですよ。鉄ドンにもどんどん参加してほしいと思う。価値観が違う人が紛れ込んでみんなで作ってことが面白いからね。若い人の技術やセンスって凄いものがあるので、それはほんとに期待してるし負けてらんないし。よかったら鉄ドンで一緒に遊びましょーって思ってます。

 

――おかさんはお仕事でも自分の夢を叶えていらっしゃっているんですけども、なおかつ「鉄ドン」と言う場で撮り続ける原動力は何でしょうか。

おか:仕事は多くの人に迷惑かけちゃいけないものではあるんですけど、自分の人生の一場面だと考えたら全部同じことなんですね。自主映画も仕事も自分の人生そのもので、何の差もなく嘘もないって感じです。自分自身が思ってること、感じていること、体の中にあることが全部吐き出された結果が作品なんで、そういう意味では全く一緒。そこに差ないし、これから先も同じような生き方をしてくんだと思います。

 

ゆうばりから見る未来/ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017レポート(2) 怪獣鉄ドン、雪山激闘編