19歳の出演作『アデルの恋の物語』から『ポゼッション』『王妃マルゴ』など常に人々をひきつけてやまないフランスの人気女優イザベル・アジャーニがなんと15年ぶりに来日。現在シネスイッチ銀座にて公開中の新作『イザベル・アジャーニの惑い』についての会見が行われた。この作品は昨年のフランス映画祭横浜のクロージング作品として上映(タイトル『アドルフ』)され、アジャーニも来日を予定していたが突然のキャンセルに日本のファンの多くが大きく肩を落としたものだった。そういう経緯もありアジャーニ自身もようやく念願かなっての来日にいたくご機嫌なようで終始にっこりとした笑顔を絶やさなかった。
 今回の新作は、フランス心理小説史上最高傑作といわれる文芸ものの映画化。アジャーニ自身企画から関わっており女優としてこの作品にかけるいきごみは、情熱的な彼女のこと、ひととおりではないようだ。また、アジャーニといえば、炎よのうに激しい恋に身をこがす女性を演じたら天下一品。「私が女優になったのは、”情熱”というものを表現したいと思ったからなのよ。恋愛の諸相を描くことが私の求めている理想なの。」という発言には、おもわず心のなかで”おぉ〜!”っと拍手してしまう。「今は仕事への情熱でもえています。本当に女優という仕事が好きなんです。しばらく休んでいる間は子どもの面倒をみたりしていて、そういう部分も私にとって大切なこと。今色々なプロジェクトを抱えているし、子どもとの時間も大切だし恋愛はちょっと休みね。」と現在の自分自身についても語ってくれた。「恋愛にはいろんな形があるけど、自分をかく乱するような恋愛に惑わされてはだめ。」と数々の恋愛をしてきたアジャーニの含蓄あるコメントも。
(綿野)

☆『イザベル・アジャーニの惑い』はシネ・スイッチ銀座にて公開中

□作品紹介
『イザベル・アジャーニの惑い』