女優の竹内結子が29日、六本木アカデミーヒルズにて開催された『第28回東京国際映画祭』のラインナップ発表会に出席。コンペティション部門に出品される主演映画『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』より、メガホンを取った中村義洋監督とともにゲストとして登壇。

第26回山本周五郎賞を受賞したベストセラー作家・小野不由美氏の傑作小説『残穢』を映画化した本作は、小説家の「私」のもとに読者から「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という一通の手紙が届く。好奇心を抑えられず調査を開始すると、そのマンションに住んでいた過去の住人たちが、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かびあがり、不可思議な事件の連鎖に引き込まれていく。

中村監督は「ほんとに怖い小説。いままでホラー撮ってきてある程度克服できてはいたのですが、それでも怖かった」とビビらせるほどの恐怖を与えただけに、「竹内さんに脚本を渡したんですが、なかなか読んでもらえなくて」と苦笑いを浮かべると、竹内は「怖いものが苦手だと自分でも気づかないくらい、避けて通ってきた道なので(脚本を)読むのをためらいました。暗いところを避けて、明るい時間帯や人が大勢いるところでやっと読めました」と明かした。

また、「撮影中は一刻もはやく家に帰りたかった」と話す竹内は「現場の倉庫やロケ先が不穏な空気を醸し出していて、早く家に帰って、なんなら塩でも撒いてやろうっていう気分でした」と過酷な撮影時を振り返った。
一方、主演女優賞の話題になると「映画祭という“お祭り”なので、まずは楽しみたいですね。ドレスを着て歩くので、いまは『転ばないように』という緊張感が強いです」と茶目っ気たっぷりにこたえた。

会見には、メイン司会を務める羽鳥慎一アナウンサーと西尾由佳理アナウンサーをはじめ、フェスティバルナビゲーターに就任したモデルの季葉、ラジオDJで翻訳家の野村雅夫、コンペティション部門出品作品『FOUJITA』の小栗康平監督、『さようなら』の深田晃司監督、女優のブライアリー・ロングら豪華キャストも出席した。

『第28回東京国際映画祭』は10月22日から31日まで開催されるアジア最大級の国際映画祭。六本木ヒルズをメイン会場に、新たに新宿バルト9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿へエリアを拡大し、例年以上の上映作品やイベントが予定されている。

(Report:小宮駿貴)