2012年1月に公開され大ヒットを記録した『しあわせのパン』のスタッフが、北海道を舞台にしてお贈りする映画『ぶどうのなみだ』。今回は、北海道・空知(そらち)地方の“ワイナリー”を舞台にした物語です。

本作の公開を記念して、9月30日(火)に大泉洋さん、安藤裕子さん、三島有紀子監督による映画公開直前イベントを開催致しました。
北海道ロケの撮影裏話から、ワインがモチーフの本作ならではの「おいしい乾杯」エピソードなどのトークを展開。
また、北海道からこの秋できたばかりのワインを持ってくるサプライズゲストとして、劇中に登場する大型犬のバベットが登場。あまりのお行儀のよさに、会場から「かわいい!」と声があがると、大泉さんが「久しぶりにかわいいと言われました。」とコメント。会場は大爆笑に包まれました。また、バベットと共に北海道ワインで乾杯し、終始笑いと大歓声の中、イベントは終了致しました。

【日 時】9月30日(火) 舞台挨拶18:30
【会 場】スペースFS汐留
【登 壇】大泉洋さん、安藤裕子さん、三島有紀子監督
サプライズゲスト:バベット(オールド・イングリッシュ・シープドッグ)

■ご挨拶をお願い致します
大泉:皆さん、お忙しい中、中には11時から並んでくれたという人もいるそうで、ありがとうございます。
北海道の美しい景色と、三島監督のこだわり続けて撮った美味しそうな料理とワインが出てきます。皆さんどうですか?この時間お腹が空いていませんか?すごくお腹の減る映画です。今日は楽しんでいってください。

安藤:不慣れな演技だったんですけど、監督に優しく指導して頂いて撮影を無事に終えることができました。
雨降らしのシーンであまりに寒くて「死ぬ!」と言ったら、死ぬなら30分後に死んでとも言われましたけど(笑)
本当に皆さんが知ることのない大泉洋のイケメン姿も観れると思います。そういうところも楽しんでください。

監督:なんだか悪い人のイメージになりましが(笑)北海道で心を込めて作った映画です。楽しんでいってくれれば嬉しいです。

■大泉さんは今回、ストイックにワイン作りに挑むアオという青年の役でしたが、大変だった点や印象に残っていることは?

大泉:三島監督はとにかく私を寡黙な役にしてしまうわけですが、「しあわせのパン」でも妻を見守る役で、今回も寡黙にワインをストイックに作る役でした。三島監督は景色を本当に美しく撮りますし、料理も美味しそうに撮りますし、ワインも注ぎ方ひとつでもこだわって撮る方ですから、私の顔にもこだわってしまうんですね。キレイに撮りたいと。でも、これは非常に難しいんですよ。それでも私は頑張ってやってはいるんですが、共演者とご飯を食べに行ったりするじゃないですか、そうすると若干翌日に顔がムクむことがある。人がわかるほどではないのに、私のところにスーッときて「昨日飲みましたね」と言ってくる。だからムクミを取るために、現場で走っていましたよ。ムクまないようにするためにストイックに頑張りました。なんか観る前にハードルをあげすぎましたね。とは言っても僕の顔なんで。て、なんで自分でそんな悲しいことを言わないといけないんですか!でも、僕史上キレイに撮ってくれた作品と言っていいでしょう(笑)自己ベストは出したと思います(笑)

■安藤さん、北海道のオールロケはいかがでしたか?

安藤:東京から通っていると、やっぱり気持ちが切れないところがあって、そういう意味では地方に籠ってキャストの皆さんと楽しく過ごすことで、自然に撮れたかなと思います。

■監督ならではの撮影するこだわりは?

監督:色ですかね。あとは動き、湯気とかバターがトロっと溶けるとか、ワインが注がれるとか、そういうところを大事に撮っていますね。でも、1番はそもそも食材が美味しそうなので、それを生かしたお料理を考える。食材がいかに美味しいかを伝えられるように撮っています。なんなら洋さんのワインを持ち上げるシーンなんて、2日またいで撮りましたよね(笑)

■最近幸せすぎて涙がこぼれた瞬間があれば教えてください

大泉:超かわいくて、でも切なくてホロッとしてしまったことなんですけど、娘がね、スパゲッティと言えないんですよ。今日何食べる?と聞くと「スカペッティ」と答えて、でも親からするとそれはかわいいんですよ。でも、それで切なかったのは、娘はスパゲッティと言えていないことがわかっているらしく、「私はまだねーどうしてもねースカペッティとしか言えないの…」と言うのが、もう切なくなっちゃって、それでいいんだよー!言える必要なんかない!いつかきっと言えるようになるから!って、涙が溢れてきちゃいましたね。

安藤:大泉さん幸せですね(笑)私はそうだなー、結構ネクラなところがあるから、すっごい幸せ!と泣くことがないんですけど、どうですか?

大泉:どうやら君は本当にないらしいな。事前に聞かれていたよね?この時間に考えられないとなると、本当にないんだな(笑)

安藤:ちょっと言っちゃおうかなと思ったんだけど、ウソっぽすぎるから止めようと思って(笑)

〜ここで、サプライズゲストのバベット登場。大泉さん第一声「おおーかわいい!!」〜

■バベット君は名優ということでしたが、いかがでしたか?

大泉:彼は名優でしたね。ほとんどNGとかなかったんじゃないですか?

監督:最初はやんちゃなところが出てましたけど、だんだんうまくなってきたよね。

大泉:映画を観て頂くとわかるんですけど、結構お芝居しないといけないところがあるんですよ。わーとエリカのところに走っていくところだったり、行け!と言ったらいかなかったりとか、それを見事にこなしていました。私はこう見えて、あんまり動物が得意ではないんですが、でも彼はなぜかいけるんですよ。なんかこの中に人が入っているんじゃないかと思って、たぶん45歳ぐらいの小柄なおっさんじゃないかと(笑)
(大泉さんの顔にバベットが近づくと)ここまでくると、さすがに怖いよね(笑)

安藤:私は一緒にいるシーンも多かったので、自分の家の子のように、強めに調教していましたね(笑)

■最後の一言

監督:北海道の大地で心を込めて作った映画です。毎日生きていると嫌なことだったり、つらいことだったりあると思うんですけど、この映画を観て、明日ちょっとでも元気に生きられたらいいなと思ってもらえたら嬉しいです。

安藤:今回初めて三島作品に参加させて頂いたんですけど、映像は北海道のごとく美しく、絵本のごとくかわいらしく作られているんですけど、その中でも優しく人間模様が静かに進んでいく作品になっています。大きく起承転結はないかもしれないんですが、大人の持つほろ苦い気持ちを優しく包んでくれる作品になっているなと思います。大泉洋のイケメン姿と共に楽しんでください。

大泉:「しあわせのパン」と同様に美しい景色を三島監督が切り取ってくださって、大変魅力的なお食事も出ますし、ワインの魅力も皆さんに知ってもらえたらなと思っています。ちょっとした恋愛要素も盛り込まれていまして、胸キュンするシーンもありますので、いろいろな世代の方に楽しんでもらえると思います。多くの方に愛して頂いて、そして最終的に北海道に遊びにきて頂いて、ワイナリーを巡って頂ければなと思っております。