映画『ペタル ダンス』石川寛監督×写真家川内倫子さんスペシャルトークショー!
宮崎あおい、忽那汐里、安藤サクラ、吹石一恵といった旬の若手女優を美しく切り取った映像も
話題の一つの本作。本日、蔦屋書店(代官山)にて、現代の日本を代表する写真家として国内外に多くのファンを持つ川内倫子さんと石川寛監督のスペシャルトークショーが行われました。
開催日時:4月16日(火) 会場:代官山 蔦屋書店1号館 2階 映像フロア
蔦屋書店映像フロアは、ふたりのトークショーを楽しみに待つお客様で満席。
MCの呼び込みにより川内倫子さんと石川寛監督が登場。お二人の出会いのお話から、唯一無二の世界観を表現する二人の共通点、本作『ペタル ダンス』について。本作で2作品目の出演となる宮?あおいさんの監督の印象話など。そしてなんと話は、石川監督の甘酸っぱい恋の話へと・・・。※以下川内さん(川)、石川監督(石)で表記させて頂きます
【トーク内容】
(MC)「お二人の出会ったきっかけをお聞かせくださいませ」
(石)「1作目の『tokyo.sora』のポスターに川内さんの写真を使用させて頂いたのがきっかけです。」
(川)「もともと取材の撮影で『tokyo.sora』出演者の6人の撮影をすることになり、
スタジオで撮っていたのですが、“いい天気だから屋上に出てみよう”ということになり、
階段であがっていたところ、彼女たちが下を向いたときに私がみた下からのアングルがとてもよく、
しかもみんなが奇跡的に笑顔で、6人が全員良い顔で写るということはなかなかないので、いろいろな偶然が重なって、とても素敵な写真になった。上がってきた写真を見て、監督が気にいてくださり
それをポスター写真に使用したい。ということになったのがきっかけですね。
(石)「ポスター以外の宣伝写真は僕がとったのですが、やはりこの写真には僕にはとれないな。と
“偶然とれた”と川内さんはおっしゃいますが、その“偶然、奇跡”が、川内さんだからこそこの
瞬間を撮れたんだな。と」
(川)「監督がお撮りになった写真も素敵ですよね。世界観が伝わってくる写真。“朝感”が伝わってくる。始まっていく感じがする。それぞれにいいものが写っていますよね。」
(石)「そうなんですよ!川内さんが、褒めてくださったんですよ!(照)6人が初めて集まって
屋上で撮りましょうという話しになり、朝雨が降っていたのですが、昼過ぎに雨があがった時に撮った写真なんです。」
「このような『tokyo.sora』からのつながりがあり、2作品目の『好きだ、』の時に観て頂きたく
お手紙をしたら、海外にいらっしゃってお時間がなくまた次の機会にまた誘ってくださいという
ご丁寧にお返事を頂き、今回3作品目の『ペタル ダンス』で、またお声をかけさせて頂き
ました。」
(川)「そうなんです。律儀にお声をかけてくださいまして(笑)そして今回観させていただきまして、コメントを書かさせて頂きました」
(石)「とても素敵なコメントを頂きまして。短くてもすごく伝わってきました!“小さな美しいつぶやきの数々が散りばめられている。それは大きな声では伝わらない強さだ“
(川)「読み上げると恥ずかしいですね。。コメントの中で読むとバシッと決まっているのでは?
でも書いてから思ったのですが、実は自分も求めているものなんだな。と気づきました。
自分が観たい世界観と共通してあるのかな。と派手で大きい声で何かを伝えたいというよりは、ジワッとボディーブローのように効いてくるもの、派手じゃないけれど大事にしているもの。みんなそれぞれ大切にしていると思うんですけど、それを大切に拾っていきたいな。と自分の作品づくりにおいてもそうなんですが、監督ともそこが共通するのかな。と思いました。」
(石)「川内さんの写真もそうだな。と思っておりました。川内さんの写真集が大好きで、写真と言葉を散りばめていらっしゃって。あらためて読んでみたら、かなり響きまくっちゃいました!響きまくる言葉がたくさんありました。“接点はほの甘く、こわれやすく、無現の可能性”川内さんの写真はこの“接点”を描いているんだな。一瞬しかない“接点”と思いました。」
(川)「“接点”はたくさんあると思っていて、写真を撮る瞬間だったり、今石川さんが私の写真集を開いた瞬間、人間同士のコミュニケーション、通りすがりの誰かだったり、いろんな意味にたとえられますよね。」
(石)「そしてもうひとつ響いた言葉ですが、“またこんどね、と言いあった私たちはもういない”
いや〜このふたつの言葉に響いてしまいました。」
(川)「このふたつの言葉をお選びになったのは、まさに『ペタル ダンス』にあってますよね。
世界観にぴったりですよね。ついさっきのシーンがフワっとなくなっている。次のシーンがつながっているけれども、“さっきのシーンが彼女たちの記憶なんだっけ?私の記憶なんだっけ?“とフワフワしたものが浮いていて、それがとても知的なつぶやきにみえた。
夢の中みたいな気持ち良さがあって、そのひとつひとつのシーンが“つぶやき”のようで。“つぶやき”って、とけてきえてしまうものだなと思っていて、“さっきいた人たちはもういない”というのにも繋がっていて、“時間は止められない”というのが映画からもひしひしと伝わってくる。」
(川)「写真は、撮ったら過去のものになるという特徴がある、スタンプみたいなもの。
それを映画で伝えるというのが難しいので、それを映画で伝えられているのが新しいな、面白いな。と。言葉にならないものをすくいあげているというのが、シーンの端々から伝わってきたのでよかったです。」
(石)「観た人には言葉にならないものをすくいあげたところを感じて頂けるのではないかな。と」
(川)「雪が溶けて落ちていく感じの美しい映像の数々・・・。あ、なんかカッコいいこと言っちゃったので今のはなしで(笑)でもそれぐらい美しいという表現があう映像。」
(石)「試写を観終わったあとで、“美しい”とおっしゃっていただきまして。日本人だからなのか、“美しい”という褒め言葉は、嬉しかったのですが、すごく照れくさくなってしまいました。」
(川)「“美しい”という言葉は、いろんな意味があって、昔の言葉の意味では“かなしい”という意味も入っていたようで、でもそれって、“なるほど”と思いません?決してポジティブな事ばかりではなくて、何がポジティブで、ネガティブというかの定義は人それぞれですが、“美しい”