緊急逆来日を果たした裕木奈江さんが語る、アイスランド産ホラー映画の醍醐味。

満員のシネパトス場内に、今作に出演した女優の裕木奈江さん、来日中のジュリアス・ケンプ監督、そしてプロデューサーのイングヴァール・ソルダソン氏が登場しました。

──今回ホラー映画出演ということで新しいジャンルを開拓されたと思うんですが。
裕木奈江:しかもこの極悪な役を(笑)。

──ひねりのある役を演じられることが多いですが、今回もちょっとクセのあるエンドウという役柄ですね。
裕木奈江:普通アジア人で海外の作品に出るというと、最初の10分で死んでしまうことが普通なんですけれど(笑)、これは強い女性ですしちょっと変わっていますし、脚本を読んで楽しかったので、出演させていただきました。

──これまでハリウッドをはじめいろんな国の映画に出演されて、今回はアイスランド映画に出るということで、どうでしたか?
裕木奈江:アイスランドで映画を作っていることは知らなかったので、しかもホラー映画ということで、最初お話をいただいたとき驚きました。

──監督とプロデューサーは、なぜ裕木奈江さんを起用しようと思ったんでしょう?
ジュリアス:実はアメリカで彼女の出演しているデヴィッド・リンチ監督の『インランド・エンパイア』とクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』映画を観たときに、これはパーフェクトな存在だと思い、ぜひ出演してもらいたいとシナリオを送りました。
イングヴァール:日本の最高の女優に出演してもらいたかった、まさにぴったりでした。

──アイスランドのホラー映画というのは珍しいのでしょうか?
イングヴァール:そう、アイスランド初のホラー映画ですけれど、(アイスランドのルーツである)ヴァイキングと同じ、サムライの映画だと思ってもらっていいと思います。

──イングヴァールさん、お土産にアイスランドからクジラ肉を持って来てくれるって仰ってましたけど、どうなりました?
イングヴァール:クジラ肉を3kg皆さんにお土産として持参したのですが、コペンハーゲンの空港で取り上げられました。鹿肉だって言い張ったんですけどね。日本とノルウェーとアイスランドは捕鯨国ですけど、デンマーク人はクジラを食べないんです。皆様、クジラ肉を持っている時にはデンマークに立ち寄らないようにしましょう(笑)。

──日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。
裕木奈江:この作品はまずアイスランドで公開されまして、その次はイギリスで公開され、日本はホラー好きな方が多いですけれど、公開されたらいいなと2年くらいずっと思っていましたので、今日こうして観に来てくださる方がいらっしゃることが私は嬉しいです。