6月18日(金)、国土交通省にて、公開中の映画「RAILWAYS 49歳電車の運転士になった男の物語」で主演をつとめた中井貴一さんらによる、前原国土交通大臣への表敬訪問が行われました。
本作は、島根県に実在する一畑電車を舞台に、経営に苦戦しながらも地域の暮らしを支える地方鉄道の姿を描いた作品。自身も運転士の経験がある国土交通副大臣の三日月大造氏の推薦と、映画にも協力いただいている「日本民営鉄道協会」の尽力により、今回の対面が実現しました。
高齢化社会が進む中での“鉄道”がもつ重要性や、地方経済の活性化など、現在の日本が抱えるテーマについての話題を中心に話が進み、中井貴一さんからも“未来の子供たちへ、このような電車を残していってほしい。そういったものを残していくことが、観光促進という面からも地方の活性化につながり、また地方に暮らす様々な方の足を守ることにもつながるはず”と、大臣へ強いメッセージを送った。
また、自身も「撮り鉄(鉄道の写真を撮影することに熱心な鉄道ファンの方)」である前原大臣と、鉄道ファンである阿部製作総指揮とが、あまりに熱い“テツ”トークで盛り上がり、主演の中井貴一さんが話題についていけなくなったりと、終始和やかな笑いに包まれた表敬訪問となりました。
 

<以下、表敬訪問で語られた内容より・敬称略>
ご挨拶
前原大臣:
「このたびはわざわざありがとうございます。私の親戚の故郷も境港で、松江にすむ親戚もいるので、一畑電車には非常に親しみがあります。中井さん、この映画では、本当に運転士の資格をとられたのですか?」
中井:
「いえ、とっていません(笑)実は本当に運転をしているかのように撮影をしたんですね。」
前原大臣:
「実はこのお部屋にある写真は全て私が撮ったんです(大臣室の壁には、大井川鉄道のSL列車等の写真パネルが飾られていた)小学校くらいのころからですね、“撮り鉄”なんです。(中井さんより「撮りテツって、何が楽しいんですか?(一同笑)」)自分だけのショットが撮れたことがうれしくて。普通の電車以上に、SLの躍動感、生きている感じが私は特に好きでして。煙を出して、あえぎながらもせっせと生きている感じがすきでしてね。今回の映画では島根県の一畑電車ですが、いかがでしたか」
中井:
「一畑電車は、本当に一時間に一本の電車なんですけど、景色も人もすばらしくて、撮影でも地元の方に大変お世話になりました。」
前原大臣:
「どの業界でもそうなんだと思いますが、鉄道事業者の方は鉄道を本当に愛しているので、撮影なども大変協力的だったのは。」
中井「今回はCGをほとんど使っていないんです。実際に運転しているようにみえるよう、鉄道会社の方には本当に協力してもらいました」
前原:「今、地方鉄道は、本当に厳しい状況であると認識しています。」

映画について
三日月副大臣:
「公開初日に家族と見に行って、本当に感動しました。家族、鉄道、地域などの大切さを、改めて感じさせてくれる映画です。多くの方に見てほしいですね。」
前原大臣:「私はまだ見ていないので、ぜひとも見たいですね」

地方鉄道の現状について
前原大臣:
「今、非常に地方の鉄道が苦しい状況にありますが、その果たす役割は非常に大きい。今後高齢化社会も進んでいく中で、車に乗られない高齢者なども数多く出てくる。そういった際、地方の足として、地域に根ざす鉄道の存在は大変重要と考えています。」
中井:
「ぜひ、一畑電車をはじめ、こうした地方の鉄道を、大事に残していってほしい。本作の主人公でもある“デハニ50形”というオレンジの車両は、戦前から使われ続けている列車で、手動の扉だったり木製で出来ていたりと確かに古いんだけど、まだ全然使い続けられるぐらい、すごく元気なんです。ですが、昨年引退してしまったんですね。私が撮影で夏に乗ってみたときも、冷房がなくても涼しくて、すごくいい風が駆け抜けるんですね。そういった風を感じる列車を、子供たちに残していってほしいと願っています。」