【ゆうばり映画祭2010現地レポートvol.8】開催20回記念特別上映『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』&ハリウッドリメイク作『イエローハンカチーフ』プレミア上映
ゆうばり映画祭開催20回記念上映として『幸福の黄色いハンカチ』のデジタルリマスターのワールドプレミア上映と、同作品をハリウッドリメイクした『イエローハンカチーフ』のジャパンプレミアを開催いたしました。山田監督を迎えての舞台挨拶、トークイベントの様子をお届けいたします。
◆『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』
舞台挨拶 2月28日(日)10:00〜 上映 11:53〜
登壇者:山田洋次監督
MC:澤田直矢フェスティバル・ディレクター
映画祭“20回”にして初上映となる『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』。映画祭誕生以前につくられ、夕張の町と映画の絆の強さの象徴的存在でもあった本作は、市民たちの思い入れの強さゆえ、ゆうばり映画祭で上映されるのは今回がはじめてです。デジタルリマスターで更に美しく夕張の町ではためく黄色いハンカチの感動のラストシーンでは、おそらく何度もこのシーンを見ているであろう地元の観客の方々もあらためて感涙。訪れた観客たちもここ夕張で幸せの象徴である黄色いハンカチを観ることの意味を強く実感した様子。上映後には山田洋次監督が登場し、撮影当時のお話を聞かせてくれました。
山田監督
「高倉健さん演じる勇作が夕張に戻ってきたときに、夕張市のみなさんには遠回りだとわかる道のりを進みますが、あれは勇作が久々に戻り、夕張で過ごしていた時間をゆっくり思いだしていくというのを映像で表現したくて撮影しました。当時はまだ夕張に炭鉱があり、健さんと二人で奥まで入らせてもらう機会がありましたが、上着だけ着替えればいいのかと思っていたら下着まで着替えることになり驚きました。実際に入ってみると、下着もぐっしょりになるほどの汗をかき、いるだけでも辛かった。炭鉱で働く人たちのスゴさを実感しました。」
澤田フェスティバル・ディレクター
「映画祭の休止が決まった時に、監督がある新聞に「くやしい、どうにかして映画祭を存続できないものか」というコメントを出されていて、それを見て奮起したことが映画祭復活の原動力になりました。ありがとうございました。
山田監督
「僕はコメントを出しただけで、頑張ったのは夕張のみなさん。みなさんの大変な努力の賜物です。僕の方こそありがとう。」
◆『イエロー・ハンカチーフ』 舞台挨拶 2月28日(日)13:00〜
登壇者:山田洋次監督
『幸福の黄色いハンカチ』公開当時のポスターと、『イエロー・ハンカチーフ』のポスターを見比べての感想や、両作品に出演している桃井かおりさんのコメント等をお話いただきました。
——『幸福の黄色いハンカチ』のポスターは究極のネタバレですが、当時すんなりとこのビジュアルが採用になったんですか?
山田監督
「僕はこのシーンを使うことの何がダメなのかわからなかった。ラストの展開がわかったら“もう見なくてもいい”という作品ではありませんから。“寅さん”だって、いつもいつもマドンナに振られるけど、そうなることが当たり前でしょ。 桃井かおりさんは『イエロー・ハンカチーフ』にも出演されていますが、スタッフはみんな『幸福の黄色いハンカチ』を何度も見ていて、“あんな映画を作りたい!”と熱望しながら作っていたと聞きました。ありがたいですね。」