本日、『ドキュメンタリー 頭脳警察』が遂に初日を迎えました!
劇場には第1部の上映からたくさんのお客様がつめかけて下さり、3部までを5時間超続けてご覧になられたお客様も多くいらっしゃいました。ありがとうございました!
第3部上映後、瀬々敬久監督、第2部に出演されたジャーナリストの重信メイさん、そしてこの映画を企画された須田諭一さんによる初日舞台挨拶が行われました。

日時:11月7日(土)  場所:シアターN渋谷
ゲスト:瀬々敬久(『ドキュメンタリー 頭脳警察』監督)、重信メイ(ジャーナリスト)、須田諭一(『ドキュメンタリー 頭脳警察』企画)

まずは、瀬々監督と須田さんから今のお気持ちを。
「ピンク映画の助監督をしていた頃、頭脳警察の『ふざけんじゃねえよ』という歌が大好きで、よくロケに行く車の中でカセットテープをぶちこんで歌いながら仕事をしてたんです。頭脳警察はずっと好きだったので、自分の青春を確かめるつもりでも撮った映画。こういう場にいられるのを嬉しく思っています」と瀬々監督。

2004年に頭脳警察の証言集を出しこれを映像化したいと思ったという須田さんは、
「ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』という映画があるんですが、逆説的な意味でああいう作品にはしたくなかった。3年間撮影して10ヶ月編集して5時間3部作という形でまとまりましたが、僕のイメージにかなり近いものが出来たかと思います」と感慨深げ。

重信メイさんに映画出演の経緯を伺うと、
「私は元々映画に出るって事は知らなくて(笑)。最初はうちの母(重信房子さん)とPANTAさんとの手紙のやり取りによって歌ができて、そのうちCDを作るという話が出てきました。PANTAさんと母からのリクエストもあって1曲私が(歌詞を)書けばよいと。でも日本語で書く事はまだ苦手なんで知らんぷりしてたんですね。それでもPANTAさんが書いてって、何回か言ってくれて、それで書くことにしたんですけど、『(メイさんが)自分で歌ったほうがいいみたい』ってPANTAさんが。『それはないでしょ〜』って思ったんですけど(笑)。皆さん映画を観たらわかると思うんですけど結構苦労しました。そしてレコーディングに来てくださいって言われて行ったらカメラが回ってました(笑)」
また、PANTAさんと重信房子さんとの共作であり12分にも及ぶ大作「ライラのバラード」を聴いた時は、
「いろんな意味で嬉しかったし気持ちを動かす曲だと思いました。母の気持ちがこもっていましたし、ライラ・ハリッドという個人の歴史を見ながらパレスチナ問題が見られて、そしてPANTAさんが気持ちを込めて曲を作ってくれたので、いろんな意味で気持ちが叩かれるような思いがしました」と語ってくださいました。

最後に、70年代という政治の季節を経た人としてPANTAさんをどう見るかという問いに対して瀬々監督は、
「今回の映画は決してノスタルジックにならず現在進行形のふたりを描くんだというところで始まった映画です。そういう時代を踏まえてどう生きていくか、自分自身の考えの手探りにもなった。だから頭脳警察は決して伝説のバンドではなく、今を生きているバンドなんだということを感じてもらいたい」と力説。

そして客席には何と!70年代の頭脳警察でベーシストとして活躍した石井正夫さんがいらしており、瀬々監督の無茶ぶりに、
「当時と同じように今でも手抜きなしでライブをしている彼らを見て素晴らしいバンドに誘ってもらったんだなと」としぶしぶマイクを持つと、「映画の中と言ってること一緒じゃん!」と瀬々監督から激しい突込み。大いに盛り上がった初日イベントとなりました。

また11月13日まで連日イベントを開催しております。