現在韓国、釜山にて開催されている釜山国際映画祭にて役所広司監督第一回監督作品「ガマの油」が10日、20時から公式上映された。
上映された部門は、A Window on Asian Cinema、アジアの新しい作家を紹介する部門。
400人の会場に、ネット販売された前売り券は販売からなんとわずか2分での完売となり、上映後に行われたQ&Aには質問が止まらず、多くの観客が熱心に質問をし、監督の返事に笑い、拍手などが飛び交う終始暖かい雰囲気に包まれたものだった。

Q:色々な映画にて俳優として映画祭に参加されて来られた中で、今回は監督として「ドッペルゲンガー」以来、釜山映画祭に参加されて、また俳優として参加するのと見えてくるものの違いなど。

役所監督:今回監督として受けた取材やお客さんの質問を受けて、韓国の人たちがこんなにも日本の映画をみてくれていることが本当によく伝わってきました。監督として映画を作り、日本だけを意識して作りましたがまた改めて心を込めて作らないといけないと感じました。そして釜山映画祭はとても活気があって華やかな印象です。

Q: 監督としてトロント、釜山を経てそれぞれのお客さんへの受け止め方などどうかんじられましたか。

役所監督:トロントでは、まず西洋人にどうこの映画の内容が受け止められるのかという思いがありましたが、お客さんと映画を見ることはできませんでしたがQ&Aでのお客さんの感想や質問などで伝わる(受け止められている)ことがわかりました。
今回釜山では、日本人と同じ顔をして言葉が通じないのが全く不思議な気持でした。
本当に熱心に質問をしていただきとても嬉しかったです。

Q:さきほどネット販売された前売り券は全て2分で完売したとのことですが、いかがですか。

役所監督:ロックのコンサートみたいだね。キャストの方も瑛太さんや小林聡美さんやらそういうことできていただいた方もいるでしょうし、また役所広司に興味をもってきていただいている方もいれば本当にうれしいです。ぜひこれからも忘れないでいてくれればいいと思います。

Q :次回監督作品のご予定は。

役所監督: まだ予定はありませんが、最近思うのは、色々なもの(テレビや、ニュースや名ありとあらゆるもの)を見て映画とリンクして、これは映画の題材になるのでは、、、などと考えたりするようになりました。

お客さんとのQ&Aも、盛り上がりました。

Q:個人的に「うなぎ」をR18にもかかわらずこっそり観に行きました。孤独を暖かく包む点など、今村監督と共通する点を見るものに与えます。意識するということはありましたか。

役所監督:色々な監督を意識すると思いましたが、実際はいっぱいいっぱいでした。
今回は今村組のスタッフが参加してくれて、エンドクレジットには今村監督を含め、スタッフキャストのみんなの亡くなった身近な人の名前を入れました。

Q:この映画は傷ついた心を癒すという要素があります。監督の考えとして、人間の痛みを癒す人間の姿勢として最も大切なことはなんだと思いますか。

役所監督:周りの人の死というものは人間は生きている間に何度も経験することです。友達と雑談していたときにも言われたが、やっぱりその人の事を忘れてしまうのが一番悲しいですよね、と。孤独死とか今はありますが。そんな中、思い出すということでどんなに暖かい気持になれるか、それによって向こうも思い出してくれる、そしていつでもつながっていられる、、、そういう元気になれる映画であって欲しい。
ですので大切なことはみじかな大切な人にその気持を伝えることだと思います。

最後に一言
「ドッペルゲンガー」以来で、今度は監督としてこの釜山に来ることができて本当にうれしいです。日本のうわさでは一度目よりも二度目、二度目よりも三度目。また、年を重ねてみていくうちにまた違った思いを味わっていただけたらとても嬉しいです。
本当にありがとうございました。

Q: 監督としてトロント、釜山を経てそれぞれのお客さんへの受け止め方などどうかんじられましたか。

役所監督:トロントでは、まず西洋人にどうこの映画の内容が受け止められるのかという思いがありましたが、お客さんと映画を見ることはできませんでしたがQ&Aでのお客さんの感想や質問などで伝わる(受け止められている)ことがわかりました。
今回釜山では、日本人と同じ顔をして言葉が通じないのが全く不思議な気持でした。
本当に熱心に質問をしていただきとても嬉しかったです。

海辺に彫刻をつくり、映画祭のメインビーチの一つのアトラクションとして今年が始めての試み
誰の顔を、、、と思ったときに、今年のゲスト、そして今までの映画祭の中でのインパクトがあったことなどの話題性を考えて2003年に釜山映画祭にてオープントークをして語り合った2人、日本、韓国の国民的スターであるアン・ソンギ、そして役所広司が今年また再び釜山に!的な意味をこめて記念として映画祭で作ったとのことですので、今年始めてです。

今朝2人が訪れたときには映画祭のカメラが多数入り、明日の映画祭雑誌にも出るとのことでした。