2001年「自殺サークル」で世界中を驚愕させた園子温監督最新作「ちゃんと伝える」完成披露試写会が行われ、監督、出演者陣による舞台挨拶が19日に行われた。

今回、入院中の父親を看病するかたわら自身にもガンに侵される主人公を演じ、これが映画初主演となる、音楽グループEXILEメンバーのAKIRAさんが舞台に登場すると客席から歓声が上がった。司会者から映画を撮り終えての感想を聞かれると「この作品はバケツいっぱいの切なさが含まれています。誰にでも身近に起こる問題で考えさせられました。久しぶりに泣いてしまいました。」と語った。
また、パフォーマーの時と映画の時とでは髪型がまったく違うということについて質問されると「ビジュアル面に関してはどうでもよくて、理屈や理論で演じるのではなく、『北史郎』として演じたかった。」とアピールすると拍手が起こり、会場の熱が一気にヒートアップした。
映画俳優AKIRAの評価は史郎の父親役を演じた奥田瑛二さんからも高く「普通の俳優ならたくさんいるが、本物の映画俳優が誕生したと思う。」と太鼓判を押した。史郎の母親役を演じた高橋恵子さんに、現場の雰囲気について聞かれると「台詞合わせの時からもう既に家族みたいで楽しかった。」と笑顔で語った。

また映画「ちゃんと伝える」にちなんで監督、出演者に事前に書いてもらったメッセージを発表した。
AKIRAさんは「優しい心」: 日々の何気ない会話、言葉の中に優しい心を持っていたいから
奥田瑛二さんは「ありがとう」: 優しい心を持ってそれを普通に言うことができたらいい
高橋恵子さんは「一緒にいられることの大切さ」: 夫婦いつも一緒だと大切さが薄らいでしまうから、本当にいつも一緒にいられることの大切さを感じていたい
園子温監督は「心から感謝」: 自分の故郷にあてて心から感謝したい
とそれぞれの思いを語った。

最後に園子温監督からメッセージとして「人生に中にいいことも悪いこともある。それが伝わればいいと思う。」とアピールした。

(Report:樋口 綾)