2009年7月15日、水曜日。
クリスチャン・E・クリスチャンセン監督の『愛を求めて』が上映された。
本作はガン病棟で出会った3人が、自分たちの運命を受け入れようとしながら、それぞれの愛を求めて交友を深めてゆく物語。

現在ハリウッドで新作を製作中というクリスチャン監督に代わって、アシスタントプロデューサーであるラッセ・アンダーセンが登場し、数々の質問に答えてくれた。

Q:この作品は以前から有名な短編映画が基になっていることについて教えて下さい。

A:はい、この作品はクリスチャン監督自身の短編『At Night』に基づいています。数年前に世界中の映画祭を周っていて、とても評判が良かったんです。その評判に勇気付けられたり、「物語の3人の背景をもっと知りたい」という声もいただいたりしたことで、チャレンジしようと受け止めました。長編化にあたっては、3人それぞれの背景を細かく描くことを念頭に置きながら制作しました。

Q:3人の女性からは、リアルな感情がとても伝わってきましたが、そのような反応は多いのでしょうか。

A:様々な映画祭で上映した時にも観客本人が癌を患っていたり、親族、友人などを亡くされた方がたくさんいて、主人公の3人に共感したという感想をいただきました。

Q:主人公3人が男性ではなく、女性である理由はあるのでしょうか。

A:3人の関係を中心に描きたかったので、3人とも女性である方が親密感に溢れると思ったからです。

Q:デンマークのホスピスでは、医療費が無料なのでしょうか。

A:はい、確かに無料ですね。幸運なことにデンマークは保険制度が整っていて、基本的に治療費は全て無料です。

Q:3人が入院している病院は全体的に白で統一されていますが、デンマークのホスピスは実際に白で統一されているのでしょうか。

A:はい、実際に真っ白で、清潔感に溢れています。撮影では本物の病院の一部を貸切ったので、わざと白くしたわけではありません。

(Report:今井理子)