80年の時を経て、世界に呼びかけるメッセージとして映画『蟹工船』ついに海外へ出航!!
ある書店の一枚のPOPから始まり、あらゆるメディアにとりあげられ、昨年末流行語大賞のTOP10入りを果たすなど、時代を超えて再び脚光を浴びた『蟹工船』が、80年の時を経て、映画になり、現代の日本に、そして世界へ呼びかける≪メッセージ≫として蘇りました。
脚本・監督は、各国の映画祭で注目を集める異才SABU。主演の虐げられる労働者役に松田龍平、労働者たちを酷使する鬼監督役には西島秀俊を迎え、全世界を視野に入れた公開を目指します。この外国特派員協会試写会では、海外の多くの記者が集まり、上映後に行われたSABU監督とのティーチインで「蟹工船」への各々の想いを投げかけました。
●日時:5月28日(木)19:00〜 /場所:外国特派員協会(千代田区 有楽町電気ビル)
●登壇者:SABU監督
7月4日(土)公開の映画「蟹工船」の外国人特派員協会試写会が有楽町で行われた。
この外国人特派員協会試写会は海外の雑誌、新聞の記者、各国の映画祭のスタッフなどを集めて行われる試写会で、通常80人収容の会場に、130人以上の人数がつめかけた。
多国籍に渡る海外からの記者ということもあり、政治的な質問から映画の中身や撮影の仕方まで、様々なジャンルの質問が飛び交っていた。また、本作を原作や50年前に製作された山村聡監督の『蟹工船』と
見比べるために来場したという記者もあり、新しく甦ったSABU監督の映画『蟹工船』への注目は大きかった。
記者(スェーデン):「この映画で何を伝えたかったのか?」
SABU監督:「映画は基本的にはおもしろくなければならないということ。説教くさい映画は好きではありません。この作品を原作どおりに撮ることもできたが、そうすると「あの頃は悲惨だった」ということだけになり、今の若い人には届かない。しかし、今の若者も「蟹工船」を手にとって読むということは少なからず興味を持っているのだろう。」
エコノミストの記者(イギリス):「とてもすばらしくバランスがとれた映画。様々な選択と決定をしなければならなかったと思うがどこをどうしたかったのか?」
SABU監督:「時代背景を曖昧にしたかった。よりたくさんの方に観てもらう為に、ある程度ファッショナブルにしました。」
その他、政治的な質問なども出たが、映画はエンタテインメント。原作や思想のことを聞かれるとSABUは
「よくわらないです」と苦笑いしていた。本日の試写会は異例な人数が集まり、また、その中の記者たちの
半数が原作の「蟹工船」を読んでいて、世界での「蟹工船」の注目度も伺えた。