第21回東京国際映画祭 コンペティション部門『プラネット・カルロス』は、夢に向かって奮闘するニカラグワ貧民街で暮らす13歳の少年の物語。22日、監督のアンドレアス・カネンギーサーさん、プロデューサーのキルステン・クンハルトさん、撮影を担当されたシュテファン・ファルッチさん、そしてカルロスを演じたマリオ・ホセ・チャベス・チャベス君をお迎えして、ティーチインと記者会見が行われました。

■ 記者会見 10月22日(水)14:00〜 (ムービーカフェ)
■ ティーチイン 10月22日(水)16:08〜 (TOHO シネマズ六本木ヒルズScreen 2)
■ 登壇者 アンドレアス・カネンギーサー(監督)、キルステン・クンハルト(制作)、シュテファン・ファルッチ(撮影)、マリオ・ホセ・チャベス・チャベス(俳優)

アンドレアス・カネンギーサー監督: 本日はお集まりいただきありがとうございます。日本に来て、多くのインスピレーションが湧いてきて、日本で映画を撮ってみたいという気持ちになりました。これまでは冗談半分でしたが、撮影担当もやりたいと言っているので、次回は撮影のための来日になるかもしれません。東京はとてもエキサイティングな街で、もっと日本を見てみたいと思っています。

マリオ・ホセ・チャベス・チャベス君: 僕は、今回初めてニカラグアを出ました。東京はとってもきれいな所だし、お寺などにも案内してもらいました。とても素敵でした。日本の食べ物もいろいろ食べてみました。国によって、好みや習慣が違うんだなあと思いました。

キルステン・クンハルトさん: 日本に来ることができて大変嬉しく思っています。東京は本当に大きくて、活気に溢れていて、とてもカラフルだという印象を受けました。見るところがたくさんあって刺激的な街だと思います。

シュテファン・ファルッチさん: Action! for Earth という取り組みに参加できることを大変光栄に思います。

質問: 監督とキルステンさんとシュテファンさんは、同じ映画学校の仲間であると伺っておりますが、どのような経緯で『プラネット・カルロス』を一緒に撮ろうということになったのでしょうか?
キルステンさん: 私は同じ学校ではなかったのですが、学校の行事を通じて二人に知り合いました。監督からこの映画のアイディアを初めて聞いた時のことを良く覚えています。ニカラグアのこども達の映画を撮りたいと言われた時、いったいどんな映画になるのだろうと興味を掻き立てられました。
監督: 1年程ニカラグアで暮らしたことがあるのですが、ニカラグアで映画を撮るなら、こどもや家族をテーマにした話にしたいと考えていました。本来ならストーリーがあり、台本も準備されてから撮影に入るのでしょうが、今回はアイディアのみという状態でニカラグアに向かいました。現地入りしてから台本を書くといった段取りで、一本の映画を仕上げて帰国するといったことは、ある意味少しクレイジーな試みだったかもしれません。

質問: マリオ君は、これまでと全く違った経験をして、またこのような大都市を訪れているわけですが、彼の人生にどのような影響があると思いますか?
監督: マリオと出会うまでに長い時間がかかりました。オーディションをするべきなのかと、最良の方法を考えている矢先に、助監督がこの映画にも出てくるヒガントーナのビデオを持って来て、「カルロス役にぴったりの男の子を見つけた。グラナダに住んでいるらしい」と言ってきました。さっそくマリオを訪ねました。映画出演については、彼の家族とも十分に話し合いました。
また、今回の東京での映画祭への参加、どのような方々と会うことになるのか、どんなことをするのかについても説明しました。多くの方々からのサポートもあるので安心してマリオを預けてほしいと説得しました。マリオには、素晴らしい俳優になる素質がありますが、本人はたくさん勉強して博士になりたいと言っています。