『GHOST IN THE SHELL -攻殻機動隊』『イノセンス』等で知られる世界的クリエイター・押井守監督が創り出した、立喰いによる無銭飲食を生業とする架空の仕事師「立喰師」。
 今回の『真・女立喰師列伝』は、6作品のオムニバス映画であり、押井監督自身、その中の2作品のメガホンをとった。これに加え、特撮やアニメの分野で活躍中の監督や実力ある若手監督ら4人の監督が、「立喰師」に挑戦し、鮮烈なイマジネーションと娯楽性に満ちた作品にしあがった。
 都内にて、押井守監督、神谷誠監督、神山健治監督、辻本貴則監督、湯浅弘章監督ら5人の監督と、ひし美ゆり子、佐伯日菜子、安藤麻吹、水野美紀、藤田洋子、兵藤まこ等6人の女優、そして主題歌を担当した樹海という豪華な顔ぶれで、完成披露試写の舞台挨拶が行われ、それぞれ今作品についてコメントした。

 押井監督 「以前撮った『立喰師列伝』は意外にもマジメな作品になってしまったので、今回はエンタテイメントを撮りたかった。エンタテイメントである以上は女優さんが中心となると思った」

 ひし美 「一年半くらい前に押井監督にくどかれ、出演を決め、今作品は32年ぶりの主演作品になります。刺青なんかも入れてしまいました」

 辻本監督 「アクションを撮ろうと決めていたので、アクションだったら水野さんとやりたいと思いました。見所はスタントなし、ワイヤーなし、吹き替えなしの水野さんのアクションです。」

 水野 「実は今自分の中で、アクション強化期中というか、キャンペーン中なんです。今回は西部劇で2丁拳銃をつかったアクションに挑戦したんですが、自分でも楽しみながら撮影できました」

 神山監督 「今までは、アニメばかり撮ってきたので、実写は初めてでした。主演の安藤麻吹さんとは前にお会いしたことがあり、今回は安藤さんへラブレターを書くつもりで当て書きしました」
 
 安藤 「神山監督とはいつもアニメの現場で監督と役者という関係なので、(今作品で監督は少し出演しているため)今回共演できたのがうれしかったです。監督のピュアな演技が見所です」

 湯浅監督 「今回、いかに女優さんを美しく撮るかということを一番意識しました。自分でも納得のいく作品になりました」

 藤田 「色気で男を誘惑する女を演じたのですが、色気を出すのが少し難しかったです。でも、恥ずかしいということはなく、気持ちよく演じることができました」

 神谷 「特撮メインでやってきたので、こういった作品をとるのはほとんど初めてです。この作品は非常にヘンテコで異彩を放っている感じなので、見ていて引くかもしれないですね(笑)」

 佐伯 「10年以上前に監督とお会いして、いつか一緒にお仕事したいという話をしたのですが、その話しが現実になって、とてもうれしかったです。今回とてもかっこいい作品になっているので、たくさんの人に見ていただきたいです」

 兵藤 「今回はオープニングを担当していて、演じてはいないので、客観的に見ることができました。女の私から見てもファンになれる作品です」

 樹海 「自分たちの音楽が映像と一体化になることで、よりいいものになったように感じました」

 押井監督 「今回は女優による女優のための映画を撮ろうと思って、大変満足のいくものができました。そして、今回の作品では、西部劇あり、SFありとやろうと思えば何でもできることが証明できました」

 第20回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 公式出品作品

 11/10〜11/30シネクイントにて特別限定ロードショー

(Report:Kazuhiro TAKAHASHI)