5月22日『TANNKA 短歌』製作発表記者会見が、赤坂プリンスホテルにて行われた。
原作は女流歌人俵万智による処女小説「トリアングル」。女性の心と肉体のゆらめきを描いたラブストーリー。

大人の愛をよびおこしてくれるM(村上弘明)と、若く初々しい圭(黄川田将也)の魅力…。ふたつのまったく異なった愛の形の中で、仕事に恋に満ち足りた時を過ごしていた薫里(黒谷友香)は、結婚して家庭に入り、子を生み育てることに女性としての幸福を求める親友の美佳や、未婚の母として生きる女優、大里響子の生き方に触れ、心が少しづつ揺れ動いてゆく。

監督・脚本は作詞家の阿木耀子。最初は”監督”と言われても自分のことだと気づかなかったという。作品について「原作の持つ瑞々しさを失わずに広げてゆきたい。女性による、女性へのメッセージが込められています。目の前の瞬間に輝いて生きている女性が描かれています。この作品を観て”恋をしたい”と思ってもらえればと思います」。作品では”踊り”がひとつの大きな要素になっている。自ら10年来のフラメンコ愛好家である監督。作品中には女性のしなやかな官能美を表現するためにベリーダンスが起用されている。
また、音楽は阿木監督の夫である宇崎竜童が担当。監督は公私共に、支えてもらっていると語った。
原作の俵万智は映画化について「私は文字で表現しますが、目で訴える(映画化する)というのは、こういうものなんだと実感しました。短歌というのは、短い言葉だからこそ、受けて側が世界を広げてくれます。私が撒いた「トリアングル」という種が、スタッフ・キャストによって大きな花になる。映画を観る人にも、それぞれの思いを広げてもらいたいです」と話した。
薫里を演じたのは映画初主演となる黒谷友香。原作も気に入っていたとのことで「この映画に参加できて本当によかったです」と喜びを語った。また、会見でも披露したベリーダンスにについて「今回初めて挑戦しましたが、女を実感できるダンスで、楽しいです。新しい自分を発見できました」。
普段時代劇の出演が多い村上弘明は「これを機に、ラブストーリーにも出演していきたいです(笑)」阿木の監督振りについては「非常にストレートな人。阿木教として、崇めてしまう感じです。(笑)」
圭役を演じる黄川田は監督について「可愛い部分も持ちつつも、時に母親のように頼もしい存在。本当に物作りを楽しんでいると感じます」と語った。
(t.suzuki)