去年の12月、上野の一角に出来た映画館、一角座。本日5月6日、上映後に大森立嗣監督、新井浩文さん、山下敦弘監督によるトークショーが催された。なんとも不思議な感じがするが、新井さんと大森監督は今作品で、新井さんと山下監督は山下監督の次回作にて仕事を共にし、大森監督と山下監督は4〜5年前から公私共に交流を深めているのだそう。これはディープな話題が飛び出しそうだ。

新井さんは両監督と仕事を共にしているため、自然と新井さんの俳優としての姿の話へ。
大森監督:「新井の撮りたい部分はどこ?俺はやっぱり、この印象的な目と首だね。」
山下監督:「あ〜、僕もそうかもしれない。次回作を撮る時も、話がどんどん展開している時に、セリフがないから、新井くんの首の角度とかは気をつけて撮影したな。撮影に入る前の僕の新井くんの印象は、演出するのが難しそうだな、と思ったんだけど、いっしょに仕事していると、全然そんなことなかった。話はできるし、細かい調節も利くんだよね。」
大森監督:「そうなんだよ!意外と器用なんだよね(笑)」
新井:「俺は監督に指示されないとだめなタイプなんですよ。いじってもらわないと伸びないんです。目つきは意識しないと、すぐ悪くなるから、山下監督の作品中では警察官の役なので、良い人に見られるよう気をつけました。」

はたまた話は両監督の演出方法についても転がる。
新井:「2人ともすごく演出する時の演技がうまいんですけど、あれはどうしてなんですか?」
大森監督:「前に井筒監督の助監督をしていた時に、井筒監督の演出の演技がすごくうまかったんだよね。それを近くで見てたから自然となのかな。」
山下監督:「言葉では説明できないからね。芝居でやったほうがイメージも伝わりやすいし。」
新井:「なるほど。だから、お2人とも説得力があるんですね。」

など、話題は尽きない。人の好き嫌いが激しいと豪語する新井さんも、この両監督とは馬が合う様。ティーチ・インではどうやってキャストを選んだのか、という質問や新井さんに対しての役作りについてなど、また趣味についてなどの個人的な質問を飛び交っていた。会場とのコミュニケーションもスムーズに進んでいた。両監督の対話も、大森監督から山下監督に「なんでずっと大阪で撮ってたの?」と言った的を得た質問を投げかけたりと、この1日でしか生まれないゲル“間”が生きたトークショーが開催された。

一角座では土・日・祝にて、スペシャルイベントをしていることもある。ぜひ、こまめにチェックすることをオススメする。

(ハヤシ カナコ)