4月21日、未知なる氷の世界での生命達を追ったドキュメンタリー『ホワイト・プラネット』の試写会、及びティエリー・ピアンタニダ監督を迎えてのティーチインが行われた。

“ホワイト・プラネット” それは、165万年前の氷に覆われた厳しい自然の中で多くの動物たちが生を営む、地球上のもひとつの惑星。その北極が今、地球環境により消えようとしている。
『ホワイト・プラネット』は消滅の危機に瀕した世界で、それでも懸命に命をつなごうと逞しく生きる動物たちの感動スペクタクルである。

「北極の動物たちは一般には知られていない存在です。その存在を知ってもらい、(危機に瀕している)彼らの保護を考えてもらうことが出来れば。」と監督。
作品では、多くの表情豊かな動物たちが収められているが、北極で動物を撮影するには、多くの準備が必要だ。「北極は、日本の約80倍ほどの広さがありますが、その中で動物と出会うというのはとても困難なことです。その中で、動物の誕生、成長、狩りなどの時期を調査し、出会いを作ってゆきました。しかし、それがすべてうまくいくわけではありません。例えば、カリブーの大移動のシーンは、当初撮影する予定だった年には出会うことができず、翌年にようやく撮影することができました」と野生の動物を撮影することの難しさを語った。

相手は野生動物ということで、撮影には毎回危険がつきまとったという。「通常、熊を撮影する時は、100mから200mの距離をおきます。しかしある日、氷の影から熊の親子を撮影していたところ、彼らは我々に気付いてしまい20m位の距離まで近づいてきました。スタッフの一人が空砲を撃ったので、熊は逃げて行きましたが、空砲の音で逆に襲われる可能性もあったので、とても危機的な状況でした」などのエピソードが語られた。
(t.suzuki)

☆2006年6月24日 VIRGIN TOHO CINEMAS六本木ヒルズほか全国ロードショー 
□作品紹介『ホワイト・プラネット 』