あの超人気コンビ“ウォレスとグルミット”ついに出動!!
イギリス生まれのクレイ・アニメーションで、世界中に1000万人のファンを持つ超人気シリーズ「ウォレスとグルミット」。今度は、初の長編映画としてスクリーンに登場!生みの親はアカデミー賞を3度も受賞した天才ニック・パーク。そのニック・パーク監督の来日記者会見が行われた。

この作品は構想から5年、撮影に18ヶ月、30人のアニメーターを含む、総勢250人のスタッフが係わって制作されたという。20人くらいのキャラクターが出てくる2分足らずのシーンになんと6ヶ月もかかり、一日0.5秒しか撮影できないというから、本当に気が遠くなる作業だ。

Q.クレイアニメーションの独特の表現方法としての“ニック・パーク”のこだわりとは?
「クレイアニメの良いところは、“素朴さと手作り感”。今回、短編から長編にしたからといって、あまりスケールが大きくなると洗練された映像になってしまいがち。丹念に作っていった感覚を残したかった。そこがこの作品のユニークさでもある。それを大事にして、洗練された映像にならないように気をつけた。」
Q.今回新キャラクターとして、“ウサギ”が出てきますが・・・
「実は、いつものことなんですが、共同監督・脚本の“スティーヴ・ボックス”と二人でアイデアを出し合っていて、いつも落書きをしながらやってるんです。その時は、ウサギや野菜を書いていた。“ウォレスとグルミットの家庭菜園からウサギが野菜を盗み出す・・・”今まで、フィルムノワールやヒッチコック風にやったこともあった。まだやっていないといえば、1930年代のホラー映画。そうだ、今回は“ベジタリアン・ホラー・ムービー”を作ろう!と思いました。(笑)」
Q.いろんなタイプのアニメーションがあるが、クレイアニメの魅力というと?
「他のアニメも好きだけど、ねんど(クレイ)が、醸しだす雰囲気はとても自分に合っている。キャラクターのおでこのねんどを少し動かすだけで、表情が変わる。アニメーターが手で少しずつ触って演技をしていく。それがクレイアニメの魅力。もし、グルミットをコンピュータで作っていたら今のようなグルミットになっていないと思う。」と、たっぷりとクレイアニメの魅力について語ってくれた。
今回の東京国際映画祭では、宮崎駿監督との対談も行った“ニック・パーク”。
「宮崎駿は、長年の大ファン。彼の作品はすべて大好き。自分の作りたい作品を忠実に作っている。まさに真のアーティスト!尊敬しています。」
対談では、作ってきた“宮崎駿”のクレイもプレゼントしたとか。

会見の最後には、ウォレスとグルミットも登場し、監督を囲んでの楽しい記念撮影を行った。
ちなみに、「ウォレスとグルミット、危機一髪!」で登場した子羊“ショーン”がファンの間でとても人気だが、こちらはTVシリーズができる予定とか。今度の新キャラ、“ウサギ”もこれに負けない人気となるか!?

(ナガシマトモエ)

★2006年3月18日(土)より春休みRoadShow!!

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!

□東京国際映画祭
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