第17回東京国際映画祭コンペティション部門審査員の記者会見が行われた。
今年の審査委員長には、オープニング作品『隠し剣 鬼の爪』の山田洋次監督、ほか韓国から『ペパーミント・キャンディ』、『オアシス』のイ・チャンドン監督、フランスから近作では『8人の女たち』『ボン・ヴォヤージュ』などの女優ヴィルジニー・ルドワイヤン、インドから『女盗賊プーラン』『エリザベス』などのシェカール・カプール監督、カナダ・トロント映画祭のディレクター・ピアース・ハンドリング、『ナビィの恋』、『笑う蛙』、『ホテル・ハイビスカス』などのプロデューサー・佐々木史朗らが出席した。

———参加するに当たって
佐々木史朗「日ごろは映画を作る側なのですが、数本の作品をみると背景などをつい見てしまうので、その苦労をすぐに感じてしまいます。今回は、心を鬼にして作品をみていきたいと思います。」
イ・チャンドン「だいぶまえから映画祭に参加したいと思っていました。今回、オープニング作品を見させていただいて日本映画復興の兆しを感じます。映画人として喜びを感じました。作品をみて映画人というよりいちファンとして楽しませていただきました。」
ヴィルジニー・ルドワイヤン「私の大好きな東京に来ることができてうれしかったです。今回は、観客という立場で映画を拝見して楽しませていただこうと思っています。」
山田洋次「審査委員長として大変責任を感じています。芸術作品のコンクールは沢山の応募作品があって審査員が審査する、ほかにもすばらしい作品があったのではないかと気にはしますが、本日は、3本の作品を鑑賞しましたが、とても充実した日になりました。」
シェカール・カプール「4度目の来日ですが、台風と地震で(笑)とても興奮しています。私も審査された側の立場にありましたが、今回は、逆に沢山の映画監督の作品を見て審査する側になりましたので、真剣に取り組んでいきたいと思います。今、韓国、日本などアジアの作品がいろんなところで観る事ができ注目もされていますので、そこでアジアの東京国際映画祭が注目されていますので、今後が楽しみです。」
ピアース・ハンドリング「2回目の来日です。昨日赤いジュータンを歩きましたが、今回の映画祭で西洋だけないアジアの映画を見させていただきますが、いま世界で注目されているアジア作品をこの映画祭を見られるということで、楽しみにしています。」

———映画を鑑賞して刺激はありましたか?これからありますか?
佐々木史朗「審査員としてプロデューサーとして個人としても、新しい刺激を与えてくれる映画は、喜びなので、審査委員としては驚きになります、刺激は自分の中で基本的なことだと感じています。」
イ・チャンドン「いい作品というのは、刺激を与える反面、萎縮させることもありますが、私は刺激をうけたいと感じています。今回の試写で沢山の刺激をうけるだろうと感じていますので、期待しています。」
ヴィルジニー・ルドワイヤン「私自身も映画が大好きなので、映画人になりました、女優として映画を見ることも好きで刺激を与えたいと思っていますので、観た事のない国の映画を見て楽しみたいと思います。」
山田洋次「映画をみることが仕事なので、刺激を与えることは大切です。昔の話ですが、先輩から、いろんな映画の話をしていて他人の監督が作った映画に対していい悪いを言っては失礼だと言われ、好き、嫌いといいなさいといわれました。この映画祭ではいい悪いで評価しなければいけないので、審査は難しいと感じています。」
シェカール・カプール「ずっと子供のころから映画は魅入られるように見てきました。これからも観て生きたいと思っています。これから映画をみて審査員といっしょにアート性の議論をしていきたいと思います。また、審査委員として刺激を少し忘れて審査しなければいけないのかしれませんね。」
ピアース・ハンドリング「審査員として多種多様な映画があって困ってしまいますが、主題に向かっている映画なのか、映画を観るときに様々な意図があって作られていますので、その点をチェックしていきたいと思います。」

□東京国際映画祭
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