——列車の行き先は重要じゃない。重要なのは、乗る決心をすることなんだよ。

 クリス・ヴァン・オールズバーグ作の絵本『急行「北極号」』をご存知でしょうか?少年が行き先に疑問を抱きながらも不思議な列車に乗って北極点へ向かう。それは少年にとって自己発見の旅への出発となり、人生の奇蹟はそれを信じるものに永遠に続くものだということを学ぶ奥深い不朽のクリスマス・ストーリーで、1986年の出版以来 世界中で愛されている。その人気絵本を原作とする感動アドベンチャー『ポーラー・エクスプレス』を、アカデミー賞コンビ:トム・ハンクス&ロバート・ゼメキス監督(『フォレスト・ガンプ/一期一会』『キャスト・アウェイ』)が再びタッグを組み、今冬皆さんにお届けします。

 本作は実写ではなく、顔や体につけたセンサーで実際の俳優の動きや表情をとらえ そのままコンピュータに取り込む“パフォーマンス・キャプチャー”なる革新的技術を駆使したフルCGアニメーション。そのプレゼンテーションのためにロバート・ゼメキス監督と製作のスティーブ・スターキー氏が来日し、26日、六本木グランドハイアット東京にて会見を開いた。
 最新のハイテクに興味津々のマスコミ陣に、世界初となる約20分の未公開映像を披露。この映像がとにかく凄い!クリスマス・イヴの夜の子供部屋、列車でのアクションシーン、美しい風景、北極点の賑わいなど、少し垣間見ただけでも楽しくなってしまう、未完成とは思えないほどの素晴らしさ。「絵本のような油絵の感触を出したかった」と監督が繰り返し言っていたように、絵には従来のアニメーションにはない重厚感がある。微妙な感情のひだまで表現できるよう、俳優は顔に165個ものセンサーをつけて演じているそう。新作について熱っぽく、そして自信ありげな口調で語っていた監督は、「子供たちに魔法を信じてほしい」とメッセージを贈る。
 また、「小人たちがロック・ミュージックを歌い踊るシーンで これを誰にやってもらうかとなった時に、スティーブン・タイラー(エアロスミスのヴォーカル)に声をかけたらすぐに受けてもらえたんだ」とスターキー氏が笑顔で述べる。スティーブン・タイラーは、小人と妖精の2役をこなしたそう。ちなみに、トム・ハンクスはなんと5役!

絵本と言えど、監督曰く「魂の旅を描いた人生のメタファー」である『ポーラー・エキスプレス』の物語。大人が観ても子供が観ても、それぞれに感動を味わえる作品となるでしょう。冬の楽しみが、ひとつ増えました。
(村松美和)

■『ポーラー・エクスプレス』は、11月27日(土)より丸の内ルーブル+東劇ほか全国松竹・東急系にてロードショー!
□作品紹介 『ポーラー・エクスプレス』