2002年のヴェネチア国際映画祭で最優秀監督賞など3部門を獲得した韓国映画「オアシス」(イ・チャンドン監督)、また「ペパーミント・キャンディ」(’00)に続き、出演2作目で、同映画祭で新人俳優賞を受賞。
 本作では、刑務所から出たばかりの男性と脳性麻痺の女性の純粋な愛を描き、彼女は、難役を好演、撮影エピソードを語ってくれた。

−−−この難役を引き受けるにはかなりの葛藤があったのではないかと思いますが?
 私の人生でも一番大きな葛藤だったと思います。脚本を監督からいただいて、オーディションの時間もいただきました。今回のオーディションは変わっていて、この難役を練習する風景を二週間分撮影しました。自宅で練習をしたのですが、家族に見られるのが恥ずかしかったので部屋に鍵をかけて練習している姿を撮影しました。監督には、やはり「私にはこの役はできません」と泣きながら謝ったのです。私の周りのみんなも「この役を演じてもいいことはない」と言われて悩みました。この役を演じることで、大きくて険しい山を乗り越えることと同じ意味を持っていたので、引き受ける決意と自分が成長できると思って引き受けました。

−−−撮影で入院されたそうですが
 実は、3回ほど病院にはお世話になりました。最初は、撮影前の練習の時で、連日に渡って、演技の練習をしていたところ首が動かなくなってしまって、夜中に針をうってもらいに病院へ行きました。2回目は、映画の中でジョンドゥに乱暴されそうになるシーンで、10回以上テイクを繰り返した影響で精神的に辛い状況になり、倒れそうなくらいになっていたので監督が気を遣ってくださって「病院に行きなさい」とおっしゃってくださったので行きました。
3回目は、撮影を終えてから、骨盤や脊髄に負担が掛かってしまって、麻痺してしまったので病院へ行ってリハビリをしました。今はいたって元気です。

作品は2月7日よりBunkamuraル・シネマにてロードショー公開

□作品紹介
オアシス