加藤雅也主演、武知鎮典原案・脚本、そして監督は勿論三池崇史という『荒ぶる魂たち』トリオが集結した『許されざる者』。『荒ぶる〜』のタイトルどおりエモーショナルな激しさに満ちた前作とはうって変わり、孤高なアウトロー達の生き様を、静かにかつ怜悧に描き、新たな三池節を見せ付けてくれる。3月29日、初日を迎えたシアター・イメージフォーラムでは、作品を三池監督、加藤をはじめ、三池とは『日本黒社会 LEY LINES』でも組んでいる北村一輝、三池組は本作が5本目ですっかり顔とも言える存在となった美木良介、そして日活アクションで鳴らし『アカルイミライ』に続き日本映画界の意欲作に続投した藤竜也という、男臭さも魅力的な面々が登場し、やはり三池組の顔?ともいうべき映画評論家・塩田時敏氏の進行で舞台挨拶を行い、作品そして三池組の魅力をアピールした。

美木良介(渡徹郎役)——三池監督とは5作品やらせてもらってますが、それぞれに体の中に痛みが残る作品が多くて、特にこの許されざる者は、とっても痛いシーンが多くて参りました。
役者は苦労するが、本当に楽しくやらせてもらってます。

藤竜也(芹田軍司役)——今、世界で許されざる者が大暴れしてるでしょ。でも、この映画の許されざる者たちの清々しさを見習って欲しいですね。三池監督は、台本がフィルムになった時に、僕の想像を越えるものを作ってくれ、すごくよかった。

北村一輝(水谷真一役)——今日、真一の衣装を着てきました。楽しんでいただけたでしょうか。現場は面白かったですよ。久しぶりだったんで言われるがままに、三池さんに近づけたらと頭もこうして楽しみました。余計なことを考えずに、楽しめました。

加藤雅也(守部 梓役)——先週の映画の時に来てくれた方の顔もチラホラと見えるようで。三池監督とは前回と一緒で、楽しくできました。コメディの企画もあったんですが、前回が黒で行ったんで、今回は白で行こうと。後は監督に任せました。

三池崇史(監督)——隅から隅まで計算どおりです?(笑)。客観的には役者もすごくて、スタッフもすごいことに助けられていると感じていて、監督なりプロデュース側が今のままでもっとやれるのではと感じています。そのエネルギーをためて、爆発したいなと。

 撮影現場では、ガラスを破るシーンで美木が脳震盪を起したりと、ハードな局面も多々あったようだが、舞台に立った面々はそんな経験をも楽しんで、負から生に転化してしまったよう。その硬い絆で結ばれた男たちの姿は、ストリーミングでご覧あれ。
 なお、『許されざる者』はシアター・イメージフォーラムにてロードショー公開中!その後、大阪をはじめ全国で順次公開予定。
(宮田晴夫)

□作品紹介
許されざる者