『1票のラブレター』新成人特別試写 豊岡真澄さん等会場を埋めたのは20歳を向かえた新成人ばかり350人!かみしめいやされる、“スローシネマ”のその効用。
「新成人を向かえた若い世代の人たちに、デモクラシーについて感じてほしい。」(配給・宣伝:ムヴィオラ代表 武井みゆき氏)イランの俊英ババク・パヤミ監督最新作『一票のラブレター』の特別試写は、新成人たちを招待するという一風変わった趣向で開催された。
東京フィルメックス2001では『票の重み』として上映され、もとよりヴェネチア国際映画祭では監督賞他五部門受賞という快挙を成し遂げた本作『1票のラブレター』は、あわい恋ごころと選挙という、不思議な取り合わせのイラン映画。ペルシャ湾に浮かぶキシュ島を舞台にある選挙の一日が優しくゆったりと、そしてたっぷりのユーモアで綴られる。アッバス・キアロスタミ、モフセン・マフマルバフしかり、イラン映画の魅力の一つであるささやかな日常に対する丁寧は描写は、かみしめ、いやされる自然治癒的な効用があるようだ。
「今作は、“スローシネマ”といえるのでは。大作では味わえないささやかな、大事な事をゆっくりと語る映画です。映画を観ながら考えてもらう時間のある作品なんです。」(武井氏)
新成人試写に、芸能界からも20歳を向かえた新成人たちも集結。日本レコード大賞新人賞受賞の椎名佐千子さん、TV朝日『虎乃門』内、「こちトラ自腹じゃ!」において井筒監督の助手を務め、『バトルロワイアル2』撮影中の豊岡真澄さん、TBS『新天までとどけ2』長男役の佐藤友樹さんらが試写後インタビューに登場。映画を通して感じた自分とデモクラシー、将来の夢等について、声を弾ませた。
豊岡真澄さん——:終わった後に胸の中にぽわんと暖かい余韻の残る映画でした。(深作欣二監督の死去を受けて)『バトル・ロワイアル2』の撮影は続いています。オーディションで虎ノ門にいらしたときのことを話したら、「眠かったから憶えとらん!」って。豪快な方でした。
椎名佐千子さん——:選ぶ権利を与えられてるって言う事を、この映画を通じて感じる事ができました。20歳を迎えて歌の道を一生懸命進んでいきたいって思います。
佐藤友樹さん——:選挙に行かないと文句をいう権利もないですよね。ゆったりとしたテンポの作品に心いやされました。
ーーー自分が投票する『1票』を信じること、それはつまり自分自身を信じること、希望を持つことーーー
「選挙」と「デモクラシー」が教えてくれるのは、実はおもいきり身近で大切な、そんなことなのかもしれない。
なお、『1票のラブレター』は新宿武蔵野館にて、1月25日より初晴れロードショー決定!
(Yuko Ozawa)