アジアの英雄として歴史に名を刻む「鄭成功」。彼の偉大な足跡を描いた映画『国姓爺合戦』が、日中国交正常化30周年記念、日活創立90周年記念作品として完成。11月2日(土)、シネ・リーブル池袋で公開初日舞台挨拶が行われた。

舞台挨拶には、田川マツ(鄭成功の母)役の島田楊子と、エンディングテーマの作曲と演奏を担当したウー・ルーチンがゲストとして出席。

今回は、二人のコメントの一部を紹介する。

■コメント
−−唯一の日本人として、この映画に参加された感想は?
島田楊子
中国へ行くのは初めてでもちろん言葉もわかりませんでした。単身で中国へ行って最初は少し不安もありましたが、数日後には家族のような関係を築くことができ、みんなの愛情があふれる作品になっています。激動の時代に、日本人の血をひいた世界的に有名なヒーローがいたということを、多くの人に知っていただけたらと思います。

−−エンディングテーマの作曲は、映画を見られてからと聞いていますが?
ウー・ルーチン
すてきな映画ができ、試写会で見たときは感動しました。鄭成功は、中国と日本の両方が誇りを持てるヒーローで、作曲の依頼が来たときはとてもうれしくて、彼の生き様とすばらしい愛が伝わるよう10分くらいで作曲しました。

島田さんが演じる優しい母親像は、中国と日本の両方に通じるものだと思いました。すばらしい演技と偉大さに感動しています。

島田楊子
マツは日本人ですけど、この映画の中では日本人的な優しさだけでは不十分だと思いました。あの時代に中国の人と結婚をして子供を産み、一人で中国に渡り最後は自害して果てるという激動の人生を生きた一人の女性としては、もっとスケールの大きなものを現さなければいけないなと思ったんです。

それができていたと、ウー・ルーチンさんにおっしゃっていただき、とてもうれしいです。

−−長崎県平戸市のキャンペーンはいかがでしたか?
島田楊子
鄭成功の生まれは平戸で、今でも彼が生まれた海岸に石碑があったり、生家の屋敷跡が残されていたりと、平戸のみなさんにとって英雄なわけです。その彼を描いた映画ということで、うれしいという気持とどんな映画になるのかという気持が入り混じっていたと思います。平戸での試写会では、数千人の方が集まり会場に入りきれないくらいだったんですよ。

−−鄭成功は、中国ではどういう風に捉えられているんでしょうか?
ウー・ルーチン
鄭成功は中国の明と清の時代の英雄で、忠義、愛、正義の心を持っていたすばらしい人です。それは現代人も見習わなくてはいけないと思いますね。今回の映画も日中の文化交流の役にたつと思うと、この仕事に関わることができて幸せに思います。