「北海道フービーフェスティバル2025」オープニングフォトセッション
「北海道フービーフェスティバル2025」オープニング

映画と食を楽しむイベント「北海道フービーフェスティバル2025」が10月10日から札幌市内で開かれた。地元の芸能事務所クリエイティブオフィスキューなどから成る実行委員会の主催。第1回の昨年は「北海道フードフィルムフェスティバル」の名称で開催したが、今年は名称を「フード」と「ムービー」の合成語に変更。食をテーマにした映画の上映、作品中の料理の提供、シンポジウムなど30プログラムを3日間にわたり行った。

TEAM NACS:左から森崎博之、音尾琢真、戸次重幸、安田顕、大泉洋

10日は北海道庁赤れんが庁舎の前でオープニングセレモニーが行われ、最初にスペシャルサポーターのTEAM NACS(森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真)が登場した。開始直後に小雨が降り始め、”雨男”で知られる大泉が観客にお約束の謝罪をして会場が笑いの渦に包まれる一幕も。このほか安達祐実、三吉彩花、市原隼人、プロデューサー・監督として参加の齊藤工(俳優として活動の際は斎藤工名義)、香港の巨匠ジョニー・トー監督らが祭りのスタートを盛り上げた。

ジョニー・トー監督
安達祐実、齊藤工プロデューサー、ジョニー・トー監督

■『おいしい給食』シリーズ最新作

「おいしい給食」フォトセッション
市原隼人・岩淵規プロデューサー

初日の上映作は市原隼人主演の学園グルメコメディー『おいしい給食 炎の修学旅行』。ドラマと映画のシリーズの最新作で、前2作に続き函館市の中学校が舞台だ。北海道のご当地給食だけでなく、修学旅行で訪れる青森・岩手の食も登場する。

映画『おいしい給食 炎の修学旅行』の台本を手に劇中のシーンを再現する市原。

上映前の舞台挨拶で、市原は台本を手に登壇。自身が演じる給食マニアの教師・甘利田幸男になりきり、本番さながらの振り切った演技を披露してファンを沸かせた。

シリーズの継続には市原自身の情熱が一役買っているという。岩淵規プロデューサーは現場での市原について「武士ですね」と一言。「どうやってお客様を楽しませるかを考え、脚本にないことまでこうしたらどうかと毎日ディスカッションする姿は本当に武士のよう」と絶賛した。

「おいしい給食」トーク4

市原は「甘利田先生は滑稽な姿を見せても笑われても好きなものは好きと胸を張って人生を謳歌する、そして子どもに対しても常に中立で、どんな人に対しても負けを認められる人。そんな姿をご覧いただいて、毎日を楽しむ活力にしていただきたい」と観客に語りかけた。

熱い給食愛と師弟愛があふれる本作は10月24日に全国公開される。

 

■大泉洋、13年前の映画で登壇

大泉洋、三吉彩花
フォトセッションで背伸びをする大泉洋。

吉川トリコの小説が原作の『グッモーエビアン』(2012年公開)の上映会には、主演の大泉洋と三吉彩花がゲストで登壇した。三吉が演じたのは麻生久美子演じる未婚の母アキのひとり娘、ハツキ。アキの昔のバンド仲間の自由人ヤグ(大泉)が海外の放浪から戻り、3人での生活が始まったことで思春期のハツキに起こる心の変化が描かれる。

三吉は「当時は16歳。自分にとって大切な作品だし、いつ見てもあの時の記憶が鮮明に蘇ってくる。この映画で皆さんにお会いできてうれしい」とコメント。作中、家族の絆の象徴としてたびたびヤグが作るカレーの思い出などを語った。上映会の前夜には大泉の案内で札幌の「締めパフェ」を体験したという三吉。普段は甘いものをほとんど口にしないが「とてもおいしかった」と振り返った。

大泉は「13年前の作品で、私もだいぶ若かった。一生懸命歌ったりジャンプしたりして、今だったらアキレス腱が切れてるんじゃないか」と笑わせた。ファッションモデルとして世界で活躍する三吉については「インスタのフォロワー数が250万人だって? 俺なんかこの間の生配信でも5,000人しか見てくれなかった」と自虐ギャグで会場を大いに沸かせた。

観客全員から大泉の芸能生活30年を祝うサプライズも!

10月に芸能生活30年を迎えた大泉。最後に観客全員が「30周年おめでとう」と書かれたボードを掲げて祝うサプライズもあり、長年見守ってきた地元のファンとの交流を楽しんだ。

■映画×ラーメン

左から小山巧監督、齊藤工、朝日奈寛、はしもとこうじ

齊藤工がプロデュースした短編『私たちが麺処まろに通うまでに至った件』が国内初上映。上映会には齊藤と小山巧監督、主演の朝日奈寛、脚本のはしもとこうじがゲスト参加した。

映画の舞台は、朝日奈が俳優業の傍ら東京都内で切り盛りするラーメン店「麺処まろ」。ここに集まる仲良し女子高校生グループの物語で、朝日奈は本人役で出演している。

朝日奈の作るラーメンに衝撃を受けたという齊藤。
ラーメンポーズを披露する4人。

本作の製作は、朝日奈の作るラーメンの趣味の域を超えた深い味わいに齊藤が衝撃を受けたことから始まったという。「一つのことにこれだけ向き合えるということに感動した。フービーフェスティバルという受け皿のような映画祭があるので、これを映画にしようと。言語化できない感動の一口が、こうして形になった」(齊藤)。気心の知れたスタッフとともに映画を作り上げた。

市内の飲食店で厨房に立つ朝日奈寛。
「麺処まろ」の一番人気メニュー「濃厚 塩」。

上映会後には、市内の飲食店で朝日奈が「麺処まろ」のラーメンを提供。映画と食がリンクするおいしいイベントとなった。

(レポート&撮影:芳賀恵)