第43回アヌシー国際アニメーション映画祭 新設コンペティション部門「Contrechamp」ノミネート!

 自然世界への畏敬を独自の漫画表現で読者を魅了し続ける漫画家・五十嵐大介の「海獣の子供」を、映画『鉄コン筋クリート』で第31回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞し、そのハイエッジな映像表現で世界から注目を浴びるSTUDIO4℃がついに映像化。映画『海獣の子供』が6月7日(金)に全国公開となります。
 この度、5月30日(木)に本作のトークイベント付き特別試写会を実施いたしました。トークイベントには、ダンスボーカルユニット・PRIZMAXのメインボーカルとして活躍しながら、俳優としてはスティーヴン・スピルバーグ監督にその才能を見出され映画『レディ・プレイヤー1』に抜擢、本作ではジュゴンに育てられた兄弟“空”と“海”の謎を追う若き天才海洋学者・アングラードを演じた森崎ウィンと、本作の監督を務めた渡辺歩監督が登壇! 本作の見どころやアフレコ時のエピソードなど、濃密なトークを展開いたしました。

■TOHOシネマズ×錦糸町PARCO 『海獣の子供』特別試写会

5月30日(木)19:00〜19:25上映前のトークイベント
場所:TOHOシネマズ錦糸町楽天地(錦糸町PARCO 6階)
登壇者:森崎ウィン(アングラード役)、渡辺歩(監督)
(写真左より 森崎ウィン、渡辺歩監督)

■登壇者コメント

●森崎さんはアニメーション声優初挑戦ですが、いかがでしたか

森崎:画が出来上がっているところに声を入れていったので、純粋に難しかったです。一番初めに、音の入っていない画のみのDVDをいただいて練習したのですが、これはどこでブレスを取っているんだろう、と。キャラクターの呼吸と合わせるのがすごく難しかったというのが印象です。
人が喋る前のちょっとした息遣いなど普段意識せずに自然とやっているものも、いきなり画だけを見るとわからなくなってしまう。どこでこの人は息を吸っているのか、それってすごく大事なんだなと改めて感じました。
実際に立ち上がったりしてアングラードと同じ動作をすることで、彼と同じ息遣いを表現することができました。アングラードと僕は真逆ですが、これだ、と思うものが撮れると、「うわっ」とか「キタっ!」と感情が出てしまいましたね(笑)

アングラードのセリフは内容が難しく、台本を読んでも理解するのに時間がかかりました。原作のファンの方が沢山いらっしゃる中でそれを演じるというプレッシャーもありましたが、アニメーションと合わせていく作業の前に、アングラードの言っていることをまず自分がどう理解するか・どう解釈するか、台本の解釈にとても時間をかけました。

また、収録は田中泯さんとご一緒させていただき、田中さんの立ち姿や佇まいを隣でリアルに感じることができました。言葉よりも背中で見せてくれて、空気感をすごく作ってくださったので、田中さんがいてくださるからこそやりやすかったところがあります。

監督:ものすごく一生懸命に、前向きに探って突き詰めて考えてくださる、これは簡単なようでなかなかできるものじゃないです。アプローチの仕方が素晴らしかったです。映画の神様に森崎ウィンという才能と出会わせてくれて感謝しますと伝えたいですね。

●企画から5年、今のお気持ちをお聞かせください

監督:もちろん完成させなければならないものですが、制作期間中はいつか世に出せる、きっと驚いてくれるだろう、こんな風に感動してもらいたい、という気持ちを込めてスタッフ一同で作っていくその時間が楽しくて、なんだか終わってしまうのが寂しいです。
ですが、晴れて今日を迎えて、一般試写はこれが最後でまもなく公開を迎えるということで、一口には言えない思いがありますね。

●アヌシー国際アニメーション映画祭、新設のコンペティション部門への出展が決定しました。海外の方に特に注目していただきたいところは?

監督:アニメーションは世の中に数多ございますが、非常に特農な作品です。人が線を一本ずつ書いていく、一枚ずつ描いていって動きを生み出すという最も原初的な、非常にシンプルなんだけれども一番尊くて大変だと言える作業を集積したものになっています。アニメーションは各国共通の技法を使っているので、その濃厚さは伝わるのではないでしょうか、その部分を是非とも味わっていただきたいですね。
生き物や生命がどこからきてどこへいくのかという非常に広いテーマではございますが、一つ一つ疑問や感じたことを観てくれた方一人一人の中で個人的なものとして受けとっていただいて、命や自分の存在について考えた時に、どんな考えのヒントがあるか、その思考が生まれてくるか。この少女は劇中、あるきっかけで自分のことを取り戻します。それは皆さんの中にもそれぞれの形であると思いますので、そう言った部分を感じてもらえたら嬉しいです。

森崎:『レディ・プレイヤー1』をイギリスで撮影していた時、現場にいらしたアニメーターやCGクリエイターの方々がみんなアニメ好きで、日本のアニメの話をすると熱くなるんです。日本のアニメの偉大さというのを肌で感じました。今回、日本から発信される新しい作品が世界に広がっていき、その中に自分も携わっていることを誇りに思いますし、新たな日本の魅力がお世話になった方々にも違った形で届くというのは嬉しいです。是非、スティーヴン・スピルバーグ監督にも観ていただきたいですね。

映画『海獣の子供』 6月7日(金)全国ロードショー
【キャスト】芦田愛菜 石橋陽彩 浦上晟周 森崎ウィン 稲垣吾郎 蒼井 優 渡辺 徹 田中泯  富司純子
【監督】渡辺 歩 【音楽】久石譲 【主題歌】米津玄師「海の幽霊」【アニメーション制作】STUDIO4℃ 【配給】東宝映像事業部
©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会 

イントロダクション

あなたは<生命誕生の物語>を目の当たりにする――。

独特の線使いとその描画表現で読者を魅了し続ける漫画家・五十嵐大介。初の長編作「海獣の子供」(小学館IKKICOMIX刊)は、自然世界への畏敬を下地に“14歳の少女”と“ジュゴンに育てられた二人の兄弟”とのひと夏の出逢いを、圧倒的な画力とミステリアスなストーリー展開によってエンターテインメントへと昇華させた名作。映画本編では、原作が持つ[海の中で感じる静けさと荒々しさ]や[海の匂い]を、スクリーンから溢れだすほどの“映像”と“音楽”に詰め込み、観る者全てを呑み込んでいく。映画『鉄コン筋クリート』などのハイエッジな映像表現で世界から注目を浴びるSTUDIO4℃最新作にして、そこに集いし日本アニメーション界の至宝たちが織り成す<海洋冒険譚>。
メインキャストには、テレビドラマ「Mother」で一躍その名を世間に知らしめ、その後ハリウッド作品などにも出演し、直近では連続テレビ小説「まんぷく」の史上最年少の“語り”を任されるなど、今もなお女優としての活躍の場を広げ続けている芦田愛菜、映画『リメンバー・ミー』の主人公ミゲルの日本語吹き替えを演じ、その美声で注目を浴び続ける石橋陽彩、そしてNHK大河ドラマ「真田丸」で真田幸村の嫡男・大助を好演し、舞台でも活躍する浦上晟周、さらに映画『レディ・プレイヤー1』にてスティーヴン・スピルバーグ監督にその才能を見出され、青年トシロウ役に抜擢された森崎ウィンと、劇中キャラクターの年齢に近い等身大のキャスティングが実現。そんな彼らを支えるのは稲垣吾郎、蒼井 優、渡辺 徹、田中泯、富司純子といった個性を自由自在に共鳴させる実力派俳優陣。
音楽を担うのは、今や日本にとどまらず世界的作曲家である映画音楽界の巨匠・久石 譲。長編アニメーション映画を手掛けるのは、スタジオジブリ制作の『風立ちぬ』、『かぐや姫の物語』以来6年ぶりとなる。さらに、かねてから原作に惚れ込んでいた米津玄師が本作のために自身初の映画主題歌となる「海の幽霊」を書き下ろした。危うくも濃密かつ深淵な作品世界に彩りを添えた彼らの“音”は映画のもう一つの顔と言える。

異才たちの才気が結晶化した“唯一無二のアニメーション映画”がここに誕生した。

ストーリー

光を放ちながら、地球の隅々から集う海の生物たち。
巨大なザトウクジラは“ソング”を奏でながら海底へと消えていく。
<本番>に向けて、海のすべてが移動を始めた―――。

自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、夏休み初日に部活でチームメイトと問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失うことに。そんな琉花が、父が働いている水族館へと足を運び、両親との思い出の詰まった大水槽に佇んでいた時、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年“海”とその兄“空”と出会う。

琉花の父は言った――「彼等は、ジュゴンに育てられたんだ。」

明るく純真無垢な“海”と何もかも見透かしたような怖さを秘めた“空”。琉花は彼らに導かれるように、それまで見たことのなかった不思議な世界に触れていく。三人の出会いをきっかけに、地球上では様々な現象が起こり始める。夜空から光り輝く流星が海へと堕ちた後、海のすべての生き物たちが日本へ移動を始めた。そして、巨大なザトウクジラまでもが現れ、“ソング”とともに海の生き物たちに「祭りの<本番>が近い」ことを伝え始める。
“海と空”が超常現象と関係していると知り、彼等を利用しようとする者。そんな二人を守る海洋学者のジムやアングラード。それぞれの思惑が交錯する人間たちは、生命の謎を解き明かすことができるのか。
“海と空”はどこから来たのか、<本番>とは何か。

これは、琉花が触れた生命(いのち)の物語。

映画『海獣の子供』作品概要
【タイトル】『海獣の子供』
【公開表記】 6月7日(金)全国ロードショー
【原作】 五十嵐大介「海獣の子供」(小学館 IKKICOMIX刊)
【キャスト】芦田愛菜 石橋陽彩 浦上晟周 森崎ウィン 稲垣吾郎 蒼井 優 渡辺 徹 / 田中泯 富司純子
【スタッフ】監督/渡辺 歩 キャラクターデザイン・総作画監督・演出/小西賢一 美術監督/木村真二  
CGI監督/秋本賢一郎 色彩設計/伊東美由樹 音響監督/笠松広司 プロデューサー/田中栄子
【音楽】久石譲
【主題歌】米津玄師「海の幽霊」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
【アニメーション制作】STUDIO4℃ 
【配給】東宝映像事業部
【映画公式サイト】www.kaijunokodomo.com
【映画公式twitter】@kaiju_no_kodomo
【コピーライト】©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会