2018年、ミラノ国際映画祭で最年少主演男優賞賞(寺田心)、最優秀監督賞(ジャッキー・ウー)のW受賞を成し遂げた映画『ばあばは、だいじょうぶ』。5月10日(金)より全国イオンシネマにて一斉公開となりました(一部劇場を除く)。
 初日から2日後の5月12日(日)、同作の舞台挨拶がイオンシネマ板橋にて開催され、上映後の舞台挨拶に、出演者の冨士眞奈美、寺田心、ジャッキー・ウー監督が登壇いたしました。

 認知症になる“ばあば”を演じた冨士は、「監督が“自由にモダンなおばあさん”でいいですよと言ってくださって。それに従って自由に演じているうちに、『なんだか私、本当に認知症なのかしら?』と思うぐらい自然にできてしまったんです(笑)」と撮影を述懐。続けて「完成披露試写会での評判もとっても良くて。夏の暑い最中に頑張って撮影した甲斐がありました」と明かしました。

 一方、ばあばの“変化”に葛藤しながらも寄り添う小学生の孫、翼を演じた心くん。司会から役作りについて聞かれると「最初に(冨士に)お会いしたときに、“ばあば”って呼んでいいですか?ってお聞きしました。そしたら『いいわよ』ってぎゅーってしてくださって。本当のばあばみたいでした!」とコメント。

 続けて、冨士から「でも優しかったばあばが、突然怒ったり怒鳴ったりするのをそばで見るのは怖かったんじゃない?」と聞かれると、「でも撮影が終わったら、優しいいつものばあば(冨士)に戻るから、本当にすごいなって思いました」とニッコリ。

 また、物語の終盤、翼くんが涙を流すシーンについて、冨士が「リハーサルの時から心ちゃんは『そんなに泣いたら涙がなくなっちゃう』と思うぐらい、ポロポロ泣いちゃって。演技派なのよね」と語りかけると、心くんは「そんなことないよ! はずかしい……」と顔を真っ赤にするひと幕もあり、本当の祖母と孫のような掛け合いに会場は温かい空気に包まれました。

 そしてジャッキー・ウー監督は「絵本を読んでいただいた方はお分かりかと思いますが、ばあば役はチャーミングな女性でなければ成り立たないし、ただのお涙頂戴映画になってしまうと思った」と振り返り、「認知症を表現するにあたり、ばあばが正気から病気へと移行していく姿を、カットを割らずに長回しで撮りたかった。冨士さんには『瞬きをせず、僕がその場で指示する“エモーション”を表現してほしい』という、非常に難しい依頼をしました。でも結果的に1回のテイクで撮り終えることができ、これはもう、冨士眞奈美しかできない演技だと思いましたね」と冨士を絶賛。

 一方の心くんについては「前作『キセキの葉書』でも子どもと仕事をしましたが、僕は子役を子役と思っていない。ひとりの役者として接しています。心くんとは、最初から『世界に向かって頑張ろうね』と話をしていました」とコメント。前作に続き、2度目の海外映画祭での受賞を成し遂げ、雑誌などで“受賞請負人”と呼ばれることもある監督。「我々の映画は、海外においては“外国映画”になる。するとどうしても字幕に目がそれてしまう。それをふまえた上で演技を考えていくようにしています」と、受賞の秘訣のひとつを明かしました。

<作品概要>
 2017年、鈴木紗理奈にスペインのマドリード国際映画祭最優秀外国映画主演女優賞をもたらした『キセキの葉書』のジャッキー・ウー監督が贈る新たな感動作。認知症になってしまった大好きなおばあちゃんの姿を、小学生の男の子の視点から描く。2018年12月、イタリアで開催された「ミラノ国際映画祭」では最年少主演男優賞賞(寺田心)、最優秀監督賞(ジャッキー・ウー)のW受賞を成し遂げた。

 原作は、10万部のベストセラー絵本「ばあばは、だいじょうぶ」(原作:楠章子/挿絵:いしいつとむ)。ばあば役は60年以上のキャリアを持つ冨士眞奈美、翼役は「TOTO」のCMなどが話題を呼んだ天才子役・寺田心。さらには映画、ドラマ、バラエティーと幅広く活躍する平泉成が認知症の妻を持つ老人役で脇を固める。ミラノを熱狂させた、小さな家族に起こった小さな“事件”がこの春、日本に大きな感動を巻き起こす。

「ばあばは、だいじょうぶ」 5/10(金)より全国イオンシネマで公開!(一部劇場除く)