この度、お笑い芸人シソンヌ・じろうの小説『甘いお酒でうがい』が、『美人が婚活してみたら』の大九明子監督により映画化が決定。
シソンヌじろうが長年コントで演じてきた架空の中年OL・川嶋佳子。このどこにでもいる40代女性の平凡な日常と悲哀を、抜群の演技力とおもしろさで表現、今やシソンヌのコントを代表する人気キャラクターのひとりとなっている。その“川嶋佳子”が日記を書いたなら…という着想から描かれた小説が、この『甘いお酒でうがい』だ。
この小説をじろうが自身の脚本により映画化。監督は、『美人が婚活してみたら』でも、じろうとタッグを組んだ大九明子が務める。そして主人公、川嶋佳子を演じるのは、松雪泰子。40 代独身女性の悲哀とおかしみを含んだ何気ない日常の姿を演じ、女優として新たな一面を披露している。さらに、佳子の会社の後輩である“若林ちゃん”を黒木華が、佳子が好意を寄せる二周り年下の男の子“岡本くん”を清水尋也が演じる。

この度「第11回沖縄国際映画祭」にて特別上映され舞台挨拶を行い、主演の松雪泰子・清水尋也・大九明子監督が登壇。作品が完成した喜びを語りました。

■島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭  『甘いお酒でうがい』 舞台挨拶
【実施日】4月21日(日)
【時間】 13:10~13:30 ※上映前舞台挨拶
【場所】 桜坂劇場(沖縄県那覇市牧志3-6-10(旧桜坂シネコン琉映))
【登壇者】松(まつ)雪(ゆき)泰子(やすこ)、清水尋也(しみずひろや)、大九(おおく)明子(あきこ)監督


真っ赤なロングドレスという艶やかないで立ちで登場した松雪は、多くの観客を前にして「皆さま、お越しいただき、ありがとうございます。2月に大九監督のもと撮影して、できあがったばかりの作品なので、本当に胸がいっぱいです。今ちょっと言葉が見つからないんですけど…」と感無量の表情。隣に立つ清水も、「何とか無事にこういう日を迎えられて、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と背筋を伸ばした。ふたりを温かい目で見守っていた大九監督は、「昨年も別の作品でお邪魔して、沖縄で新作がワールドプレミアになるのが続いていまして、すごく光栄です。沖縄の太陽と同じくらい“ワーイ!”みたいな気持ちになる!」とはしゃげば、松雪と清水からも笑みがこぼれた。

2月に撮影を終えたばかりとあって、演じた川嶋佳子が自分の中に「しっかりある」感覚だという松雪。「初めて脚本を読んだときに、ものすごく心が動いたのでぜひやらせていただきたい、と。監督についていきながら佳子を作り上げていった感じでした」と振り返る。佳子の日々を描いた内容ともあって、松雪が出ずっぱりの本作だが、「撮影期間も密度が高く、佳子でいる時間もとても長かったんです。申し訳ないけど…私でお腹いっぱいの可能性になるので恐縮です(笑)」とチャーミングに微笑む。ただ、「かわいらしい女性の姿を、今までにない形で監督が表現されています。初号を観て、自分も出ているんですけど、監督のフィルムワークに感動しました」と大九監督に向き直ると、大九監督も「いやだ!ありがとう!!」と、高ぶった。

佳子はシソンヌ・じろうが長年コントで演じてきた架空の中年OL。演じるにあたって、松雪は「勉強しなきゃと思って、じろうさんが佳子さんをやっているコントを生で見たいので、ライブがありますかと聞いたらやっていなくて…、YouTubeなどでたくさん観たんですけど“足りないな”と思った」と役作りぶりを丹念に語ると、大九監督も「真面目なんですよ」と松雪の役者としての姿勢を賞賛。松雪が「“素材、ございませんでしょうか”と何度もオーダーしたら、メッセージで“あまり見ないでいただきたい”と伝言をいただいたので、そっか、とそのときにわかった次第です」と、役への熱心な向き合いの一端を明かした。

一方、清水は佳子が好意を寄せる二周り年下の男の子を演じるという、なかなかない設定に挑んだ。松雪との共演について、清水は「ありがとうございます!という感じで、“こんなことはもうないぞ”と思って幸せでした。かなり緊張もしましたし、“どうしましょう?”と常に自分に聞いて、“どうしましょうね”と返ってきて、という日々(笑)」と、松雪とアイコンタクトを取りながら、今ではすっかり打ち解けた雰囲気で語った。清水をニコニコと見つめていた松雪は、「逆にすみません。すごく楽しかったよね。(黒木)華ちゃんも一緒に、三人で待ち時間とかも、とっても楽しく、すごく自然な感じでした」と懐かしそうに振り返った。

大九監督も、「とにかく、ふたりとも今日みたいに完全武装すると、とても話しかけることができない美男美女で恐れ多いんですが、現場ではそのオーラを洗い流して、すっぴんのふたりで登場してくれた。やわらかい空気がふたりの中にあって、カメラの回っていないときも楽しそうに話していました」と様子を伝えていた。

本作のベースになる川嶋佳子の日記には、悲しい出来事だけでなく日常生活の中にある小さな喜びも綴られている。登壇陣にとっての「小さな幸せ」は何かと尋ねられると、松雪は、「朝起きたら、空気を入れ替えようと外に出るんです。今うぐいすが鳴いていて、それを聞くと“とっても幸せだな、いい日になるな”って思う。…時々…カラスが鳴く日があると、“そっか、カラスかあ…”と思いながら、何かのメッセージなのかなと感じるのが、朝の幸せです」と、穏やかな表情で告げ、大九監督は「相撲を見ることで、好きな力士がいい取り組みをしたときは、勝っても負けても小さな幸せを感じます」と答えた。

すると、清水は「ラーメン屋に入ったときに、ライスが無料だったときの幸せがすごくて!」と19歳らしく目をらんらんと輝かせると、意外にも松雪が「それね!」とかぶせるように乗っかる。続けて、清水が「今ラーメン、すごく食べたくなっちゃう(笑)。おいしいラーメン屋があったら…」と言いかけるも、MCから沖縄なのでソーキそばではと突っ込まれ、「近くにおいしいソーキそば屋があったら教えてください!」とペコッと頭を下げていた。

何気ない日常が、日に日に愛おしくなっていく。
40代独身女性が綴る、542日の小さな<幸せ>ダイアリ―。

じろう(シソンヌ)が長年演じてきた代表的登場人物の一人である「川嶋佳子」。彼女が日記を書いたなら…と描かれた小説『甘いお酒でうがい』を、自身の脚本により映画化。
40代独身女性が何気ない日常を綴った1年5ヶ月の日々。恋、亡き母、人生…。彼女が書き留めるのは誰でも覚えのある人生の悲哀と日常にちりばめられている小さな喜び。それらに一喜一憂するのではなく、そっと寄り添って生きていく佳子を、強烈なキャラクターから子供をもつ母まで幅広い役柄を演じてきた松雪泰子が体現。じろう(シソンヌ)の卓越なる感性と言葉の世界を、様々な世代の女性の生き様を、毒っ気とユーモアと優しさを含んだリアルな目線で描いてきた大九明子が演出。『美人が婚活してみたら』につづき、再びタッグを組んだ。さらに、佳子の会社の後輩である“若林ちゃん”を黒木華が、佳子が好意を寄せる二周り年下の男の子“岡本くん”を清水尋也が演じる。
                                               【Story】 とある会社で派遣社員として働く40代独身女性・川嶋佳子は毎日日記をつけていた。撤去された自転車との再会を喜んだり、変化を求めて逆方向の電車に乗ったり、踏切の向こう側に想いを馳せたり、亡き母の面影を追い求めたり…。佳子の唯一の幸せは会社の同僚である年下の若林ちゃんと過ごす時間。そんな佳子に小さな変化が訪れる。それは、ふた周り年下の岡本くんとの恋の始まりだった…。
「これは私の日記…。誰が読むわけでも、自分で読み返すわけでもない。ただの日記。」

■原作・脚本:じろう(シソンヌ)(40) 「甘いお酒でうがい」
■監督:大九明子(50) 『恋するマドリ』『でーれーガールズ』『勝手にふるえてろ』『美人が婚活してみたら』
■出演:
松雪泰子(46) 『フラガール』『この空の花 長岡花火物語』『脳男』『at home』『古都』『リメンバー ミー』
黒木華(29)  『未来のミライ』『散り椿』『日日是好日』『億男』『ビブリア古書堂の事件手帖』『来る』
清水尋也(19) 『渇き。』『ソロモンの偽証 前編・事件/後編・裁判』『ちはやふる 上の句・下の句・結び』
製作:吉本興業 制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー テレビ朝日 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント ©2019吉本興業

2020年全国公開予定