百花繚乱の魅力を放つ最新中国映画、厳選6本を一挙上映!!中国映画祭「電影2019」オープニングセレモニー
百花繚乱の魅力を放つ最新中国映画、厳選6本を一挙上映する中国映画祭「電影2019」が昨日開幕。東京会場の角川シネマ有楽町にてオープニングセレモニーが開催されました。
オープニングセレモニーでは、日中両国の政府と映画祭関係者、および上映作品のゲストらが舞台挨拶を行いました。
各登壇者のコメント概要は以下の通りです。
また、前日3月5日(火)には“日中映画人フォーラム2019「日中合作映画の現状と展望」”(主催:文化庁、公益財団法人ユニジャパン)が開かれました。
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〇主催者挨拶 宮田亮平氏 (文化庁長官)
昨年は日中平和条約40周年を迎えるとともに、日中映画共同製作協定が発効され、両国の映画界を盛り上げることとなりました。映画はその国の風土やそこに暮らす人々の生活が表現されるものです。互いの国の文化の違いや共通点が分かり、理解し合える。そこに映画の素晴らしさがあると思います。今回、「電影2019」という形で世界に発信できることを大変うれしく思っています。
〇主催者挨拶 ワン・イエ氏 (上海国際映画祭副総経理)
今回、6本の素晴らしい中国映画を携えてまいりました。これらの映画は女性の現実を描いたリアリズム作品から旧正月に公開され大ヒットした最新作まで、題材も豊かでスタイルも多種多様です。日本の皆さんがこれらの作品を通して、中国の今のライフスタイルや心のありようを感じ、進化する中国映画を味わって頂けることを楽しみにしています。
〇主賓挨拶 程永華氏 (中華人民共和国駐日本国特命全権大使)
昨年成功裏に開催された第一回の中国映画祭は、数多くの日本の方々に中国の優れた映画を近い距離で体験してもらい、多元的な中国文化を感じ取ってもらうための非常に有意義な窓口及びプラットホームの役割を果たしました。今年上映される6本はいずれもジャパンプレミアということで、私も大変楽しみにしています。
〇主賓挨拶 西村康稔氏 (内閣官房副長官)
この角川シネマ有楽町は普段妻とよく映画を観に来る場所でして、いつもは観客として座っているので今日は壇上ということで変な感じがしますが、馴染みのある場所で中国映画祭が開かれることを大変嬉しく思っています。今年の出品作はどれも面白そうなものばかり。私は年間100本近く映画を観ていますので、この中から何本か観たいと思っています。
〇作品ゲスト挨拶 ソンタルジャ氏 (『アラ・チャンソ(原題)』監督)
この映画祭に参加できてとても光栄に思います。今回の作品は私にとって3作目。デビュー作以来、すべて上海国際映画祭に出品され、それを通して日本の映画祭に来ることができました。この場を借りて中国映画祭の大成功をお祈りします。
〇作品ゲスト挨拶 フフバートル氏(『駐在巡査 宝音(ボヤン)』プロデューサー)
私はモンゴル族です。『駐在巡査
宝音(ボヤン)』は私が手がけた2作目の作品です。最初の『オルドス警察日記』は東京国際映画祭で上映されたので、東京は私にとって宝の場所です。今回の撮影監督は柳島(克己)さんでした。現地で2ヶ月間参加してくれたのですが、彼は非常にプロフェッショナルで、日中合作のよいお手本を示してくれました。これから合作の機会は多くなっていくと思いますが、私たちがともに現場で一生懸命取り組むことによって無限の可能性があることを証明していきたいです。
〇作品ゲスト挨拶 柳島克己氏 (『駐在巡査 宝音(ボヤン)』撮影監督)
実は(『駐在巡査~』の)ヤン・ジン監督とは日本で別の作品でご一緒する予定だったのですが、延期になってこちらに参加することになりました。最初は僕一人で不安でしたが、現場は非常にスムーズで、スタッフやキャストと交流を深めて毎日宴会をしながら撮影を進めていきました。僕は東京藝術大学で教えています。留学生の3分の1は中国の方が占めていて学生レベルでの交流が盛んに行われています。これから日本映画はますますグローバル化の方向に向かって行くと思いますので、支援と交流が進むことを期待しています。
(2019年3月6日(水) 角川シネマ有楽町にて)
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日中映画人フォーラム2019「日中合作映画の現状と展望」 レポート
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2019年3月5日、東京の「六本木アカデミーヒルズ49」にて、“日中映画人フォーラム2019「日中合作映画の現状と展望」”(主催:文化庁、公益財団法人ユニジャパン)が開かれました。
聴講者は映画プロデューサー、クリエイターなど日中合作映画製作に関心を持つ映画人、総勢約150人。
文化庁参事官の坪田知広氏の主催者挨拶から始まり、休憩を挟んで4時間30分の長丁場、皆さん登壇者の言葉ひとつひとつに熱心に耳を傾け、未来の可能性を探る貴重な場となりました。
登壇者のコメント概要は以下です。
イントロダクション「国際共同製作の持つ意義」
椎名保氏(公益財団法人ユニジャパン 副理事長)
映画は全世界で4兆6000億円規模の市場を持ち、中国とアメリカで約50%、その他で約50%を占めます。日本映画の成長のためには、中国などの海外市場への進出、海外展開が重要となります。海外展開戦略には①日本映画の海外での公開②リメイク権・商品化権の許諾③人的交流とクリエイティブな貢献④共同製作、などがあります。
2018年に日中映画共同製作協定が発効されましたが、今後ますます文化庁や、後方支援としてユニジャパンの取り組みが重要になってくることでしょう。2018年には15本の日本映画が中国で公開になりました。これからもお互いの映画の発展を目指したいと思います。
「日本の撮影監督が中国で目指すもの」
浜田毅氏(撮影監督)
『血 Blood』という作品の撮影を担当しました。依頼されたときは脚本ができておらず、俳優もまだ決まっていませんでしたが原作が素晴らしく、プロデューサーの熱意もあり、行こうと決めました。海外で仕事をする場合、大人数で行かない方がいいと思います。できるだけ現地のスタッフに働いてもらうべきだと考えます。
デジタルの時代に入って中国の撮影や照明の機材はどんどん進化しており、日本はとっくに追い越されています。しかもスタッフが現場の苦労を一切見せず、とても気持ちよく仕事ができました。特機部が18人いて、あっという間にクレーンのセッティングをしてしまったことも。今の中国の現場はとても進んでいます。
「オンラインチケット 中国の日本映画の観客トレンド分析」
カン・リー(猫目娯楽COO)
中国は現在、ユーザー数10億人を超える有料コンテンツが生み出される、世界唯一の市場となる見込みです。また科学技術の進歩により、お金を払って娯楽を楽しみたい人がさらに増えると予想されます。日本映画は中国市場で人気が増加しています。特に『ドラえもん』シリーズをはじめアニメ映画は著しい成績を示しており、日本のアニメ映画は中国輸入アニメの半分を占めます。それとともに実写映画に対する受容度、評価も高まっています。その理由として家族の絆などをテーマにしたストーリー、繊細な感情描写に共感しやすいのではないかと思います。近いうち、興収10億元(約160億6600万円)を超え、日本国内の売り上げを上回る日本映画が出現することでしょう。しかしまだ版権を巡る難しさなどが障害となり、合作やライセンス輸出が少ない現実があります。中国エンターテインメントは理性的な発展をしています。今後腰を据えてじっくり話し合っていくべきだと思います。
「コプロダクション:中国で映画づくりをどのようにはじめるか」
エレン・エライアソフ氏(パーフェクトビレッジエンタテインメント社長兼最高責任者・プロデューサー)
中国での大ヒット作はほとんど国産であり、しかもコメディです。中国人は分かりやすい笑いを求めると同時に、ヒーローではなく現実味に富んだ小市民が描かれたものが好きです。中国人のニーズに合わせ、日本のIP(知的財産)をローカライズしていくことが重要です。
フィリップ・リー氏(プロデューサー・インベスター)
日本人は非常に真面目です。IPに対して危惧があるかもしれませんが、少しずつ努力を重ね、共同作業を進めていかなければならないと思います。私個人は中国人の嗜好よりも、まずは私の心が動かされるかどうかということが重要となります。
(2019年3月5日(火) 六本木アカデミーヒルズ49 にて)
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中国映画祭「電影2019」
開催日:
◆東京:3月6日(水)、7日(木) 会場:角川シネマ有楽町
◆大阪:3月9日(土)、10日(日) 会場:梅田ブルク7
○ラインナップ:『ペガサス/飛馳人生』、『失踪、発見』、『アラ・チャンソ(原題)』
『駐在巡査 宝音(ボヤン)』、『アイランド/一出好戯』 『選ばれざる路/未择之路』
(全6作品)
主催: 文化庁、公益財団法人ユニジャパン、上海国際影視節有限公司
共催: 国際交流基金
公式サイト: www.unijapan.org/reference/denei2019.html
チケット料金:1,300円(税込)
<角川シネマ有楽町>劇場窓口、インターネット予約:www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho
<梅田ブルク7>劇場窓口、インターネット予約KINEZO:https://kinezo.jp/pc/t-joy_burg7