数々の映画、ドラマに出演し、名実ともに日本を代表する俳優・山田孝之が、一切出演せずに裏方へ徹した初の全面プロデュースに挑戦し、映画『キングダム』などへ出演する阿部進之介が長編映画初主演を務めた映画『デイアンドナイト』。完全オリジナル作品である本作が問いかけるテーマは「人間の善と悪」。家族のいのちが奪われ、自らの善悪に翻弄される者たちの物語は、混沌とした現代で強く生きることの厳しさをも描き出します。監督を務めるのは、ドラマ「100万円の女たち」や映画『オー!ファーザー』『青の帰り道』などを手掛ける若手監督の最注目株とも呼び声の高い藤井道人。山田、阿部と共に同世代のメンバーが熱い思いをぶつけ合いながら、2017年11月3日にクランクイン。秋田県の秋田市、鹿角市、三種町で同年11月末まで撮影が行われ、こころ揺さぶる人間ドラマが誕生しました。 この度、第2弾公開記念トークショーイベントを実施致しました。藤井道人監督とともに登壇したのは、本作以外にも映画『7s/セブンス』、『青の帰り道』などにも出演し、藤井作品常連の俳優・淵上泰史。本作では、明石の父を死に追い込むきっかけとなる大手企業の社員・三宅(田中哲司)とともにリコール隠しを行う川上役を演じた俳優と監督、それぞれの目線から、撮影秘話や製作の裏側を語り尽くしました。

<『デイアンドナイト』第2弾公開記念トークショーイベント> 【日時】2月24日(日)【場所】シネマート新宿(新宿3丁目13-3 新宿文化ビル6F・7F) 【登壇者】淵上泰史、藤井道人監督、松崎健夫(映画評論家/MC)
名実ともに日本を代表する俳優・山田孝之が完全裏方に徹し、「人間の善と悪」をテーマに初の全面プロデュースに挑んだ映画『デイアンドナイト』が絶賛公開中。公開から1か月経つ今も、劇場に何度も足を運ぶリピーターや、SNSやレビューサイトでも熱い感想が飛び交う本作。この日の上映後にはメガホンを取った藤井道人監督と、劇中で明石(阿部進之介)の父を死に追い込むきっかけとなる大手企業の社員・三宅(田中哲司)とともにリコール隠しを行う川上役を演じた俳優・淵上泰史が登壇。俳優と監督、それぞれの目線から、撮影秘話や製作の裏側を語り尽くしました。

本作以外にも映画『7s/セブンス』、『青の帰り道』などにも出演し、藤井監督作品常連の俳優・淵上泰史。2人の出会いは藤井監督が大学時代に友人の卒業制作の作品でプロデューサー、淵上が主演として携わったことで仲良くなったそう。よく2人で「売れたいね」等とお酒を飲み交わしていたエピソードが語られる中で、当時の藤井監督の印象について淵上は「20代だったということもあり、イケメンでイケイケ感があった。」と言えば、対照的に本人は「当時、茶髪だったこともあり大学では“キリスト”と呼ばれていた」と会場を笑わせていた。
本作で、川上役に淵上を起用した理由について藤井は、「助監督経験がなく、自主映画で監督をやり続けきて、スタッフ、キャストが僕の全て」と自身の作品作りへのスタンスを語り、「作品の中で僕の投影したい役を淵上さんにお願いすることが多い。自分の信頼できる俳優部に最初に声かけさせていただいた。」と淵上への全幅の信頼を寄せるコメントに対し、「藤井監督の作品規模が大きくなっている中で声をかけてくれる有難さ、映画としても役者としても残したいなと思う。10年前から映画作りのスタンスが変わっていない。監督として大きくなっていくのはうれしい。」と笑顔で讃えていた。
主演である明石役の阿部との撮影について話が及ぶ、現場では阿部と挨拶程度で一言もしゃべっていなかったという。その理由について淵上は「役柄として阿部さんと関係性を作る必要がなかった。実際に作品を観た時に変な間が合って緊張感もあって面白かった」と振り返ると、藤井は「クランクインしてすぐの撮影で、明石と川上の地方ならではの関係性ってあるよなと思いつつ、芝居を通した時の不快感がすごい気持ちいと思った。淵上さんの演技には背景が見える」と淵上の演技を絶賛する場面も。

さらにこの日、立ち見が出るほどの満員となった場内からいくつかの質問が。その中で、秋田県での撮影にも関わらず、あえて方言を使わなかった理由について質問が及ぶと、実は藤井監督を始めとしたスタッフ間でクランクイン前にその議題になっていたことを明かすと、「海外に目を向けた時に秋田弁を使うとキャラクターそれぞれの感情に角が立ってしまうので、日本のどこにでも起きることなので限定しなかった。」との制作秘話が語られると観客もうなずいている様子だった。
イベトの最後に淵上が「暗いとも取れる、希望とも取れる映画を作る監督とは、お互いに何物でもないときからの付き合いであり、弟のようにかわいがっている藤井監督の作品をぜひ、みてください。淵上もよろしくお願いします。」と茶目っ気たっぷりに言えば、藤井監督は「大切な映画になったので、色々な感想が出てくると嬉しいですし、こんな映画観たよと伝えていただけると嬉しいです。」とのコメントで締めると、観客から大きな拍手が送られイベントは幕を閉じた。