『さざなみ』『まぼろし』につづき、年輪を重ねるにつれ、未踏の美しきオーラを放つシャーロット・ランプリング主演・渾身の感動作が『ともしび』として、全国公開中!
この度、2/14(現地時間)第69回ベルリン国際映画祭でも長年の映画業界への功績を讃える“名誉金熊賞”が贈られたシャーロット・ランプリングの授賞式会見を実施『ともしび』についてのコメントもございました。

17歳の時に巨匠・ヴィスコンティとともにスタートした自身のキャリアや未だその官能的な美しさが語り継がれる「愛の嵐」(74年)に出演したきっかけ、そして日本での最新公開作「ともしび」への役作りの苦労など方法など73歳になった今でも第一線で活躍する彼女の俳優への真摯な思いがこれまでの想い出とともに語られました。

【記者会見】
Q:若い時にキャリアをスタートしましたが、そのはじまりはどのようなものだったのでしょうか?その後の女優のキャリアに影響を与えましたか?

もちろんです。たとえば、ヴィスコンティは私の師匠(マスター)となりました。映画ができるまで、どのようなものができるかわからなかったわけですから。私は俳優としての訓練を受けたわけではなかったので、17歳時の時に選ばれて、携わっているうちにどう映画を作るかを学びました。ヴィスコンティはご存知のように特別な映画の作り方をしている巨匠でした。私は映画作りにも色々な方法があるのだということを彼によって知ることができました。

Q:「愛の嵐」でのダーク・ボガードとの関係は?

ダーク・ボガードはヴィスコンティの映画で共演してから、私を選んだわけです。リリアナ(監督)に長い間探していた相手役を見つけたと言って、彼の保護と推薦がりました。とても美しい体験でした。

Q:「マックス・モンアムール」などもそうですが、どういう状況で出演依頼を受けてきたのでしょうか?

人として、俳優として、アーティストとして、何にコミットするか、受け入れるかということです。自分の選択は決定的であることです。例えば、「愛の嵐」のような映画を選ぶということは、もしかしたら、そのままお蔵入りしてしまうかもしれないけれど、火がつけば、その作品に出演した責任があります。俳優として成長していく上での責任があります。それは永遠に自分の一部であるからです。

Q:フランソワ・オゾン監督との関係について教えてください。初めから信頼していましたか?

(彼との初めての仕事は)私が50歳になったばかりの時でした。自分の人生の中でも私は違った年代にさしかかっていて、もう若い女性という括りではなくなっていました。ただ、老女でもない、人生の真ん中にいました。彼は32歳で私の年齢の女性の体験を描いてみたかったのです。若い監督が映画を通して、若い年代が年上の女性との関係性を探っていくという。はじめて会った瞬間から、とても気が合いました。彼はとても魅力的な人で重いところもあるのだけれど、素晴らしい軽やかさがあるのです。楽しく、ハッピーにもできる。心理的に深みのある、領域のある作家です。

Q:「ともしび」は難しい映画と、コメントしていましたね?

他人の人生とその頭の中で起こっていることを、私は自身の身体で受け止めているわけです。それは誰かに教えてもらえことではなく、どんな方向にいくのかもわからないようなことがその人の人生に起こっており、その緊張感や痛みを私は捉えなければいけません。そしてその人にとってもわからないことを私は俳優として表現しなくてはなりません。それはとても困難な作業でしたが、その難しさが気に入りました。

(C)Richard Hübner / Berlinale 2019

監督:​アンドレア・パラオロ  脚本:アンドレア・パラオロ、オーランド・ティラド
製作:アンドレア・ストゥコビッツ, ジョン・エンゲル, クレマン・デュヴァイン
音楽:ミケリーノ・ビシェリャ 撮影:チェイス・アーヴィン 
出演:​シャーロット・ランプリング(『さざなみ』『まぼろし』『愛の嵐』)、アンドレ・ウィルム(『ル・アーヴルの靴みがき』『ラヴィ・ド・ボエーム』)他
2017年/​フランス=イタリア=ベルギー/フランス語・英語/カラー/4Kスコープ/5.1ch/93分/原題:Hannah 配給:彩プロ 
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