第91回アカデミー賞最多10ノミネートし、各界から話題を呼んでおります『女王陛下のお気に入り』が2月15日(金)より全国ロードショー致します。
昨日、公開を記念して映画評論家の町山智浩さんをお呼びしてトークイベントを開催致しました。

◆日程:1月29日(火)20:30~:20世紀フォックス試写室
◆登壇者:町山智浩(映画評論家)

会場は50席ほどの席数に1000人以上の応募があり、かなりの倍率を勝ち抜いた熱いお客様達がいる中、白塗りの顔と白い髪、貴族のコスチュームで町山智浩が登壇!「バカ殿じゃないですよ」と、笑いを取りつつ、上映後の試写ということで、お客さんから感想を募った。

「撮影が不思議。宮殿の話だけで話が進んでいて面白かった。」などのコメントが出ると、町山は「映画の中で一番気になったのが、男性がメイクをバッチリしていて、反対に女性がほぼスッピンなんですよね、しかも男はゲス野郎ばかり。撮影の仕方も変だなとみなさん思っていたと思いますが、後ろの柱が歪んでいたりするのは、魚眼レンズで取っているからなんです。その他、地面から撮ったり、上から煽るように撮っていたり。それは「変に撮れ!」と監督からの指示なんですよ(笑)でも美しかったですよね。絵画のように素晴らしい。しかも、昼間は窓からの光、夜は蝋燭の光、全て自然光で撮っている。照明もいらないし、宮殿のみでの撮影だから、実は低予算映画なんです。」と撮影秘話を暴露。

「(衣装に関しては)時代考証は全く無視して、この時代になかった化繊素材やデニムを使っていたり、キャストも白か黒しか着ていない。全員が一つのトーンでコーディネートしているところも、現実的ではない。戦争推進派と否定派はカツラの色を変えたりとか、史実と違ったことも多かったですが、アカデミー賞衣装賞は取りますね。」と、絶賛。

「映画では、アン女王をダメな人のように描いていますが、子供が17人も亡くなっていてかわいそうな人なんです。その象徴的存在としてウサギが使われている。今までの作品を観ても監督は動物を使うのが得意なので、今回も監督らしいですよね。この映画は最多ノミネートを取っていてアカデミー賞最有力なんです。ただシニカルで皮肉なところがとてもイギリス的なので、アカデミー賞はアメリカの賞ですしどうでしょうね。」とアカデミー賞に対しては微妙なコメント。

「『出てくるやつはみんな悪』って、アウトレイジじゃないんだから(笑)。最初、アビゲイルは弱々しいから、みんな同情して感情移入する。ただ、だんだん強くなっていって、あれ?と思うでしょう。サラは最初から意地悪だけれど、よくよく観ていくと悪気があるわけではない。女王はサラに暴言を吐かれても、あらゆるところで頼っていた。反対にアビゲイルはおべっかがすごい。サラはダメなことははっきり言うけれど、アビゲイルは女王を甘やかしていく。この『大奥』みたいな設定がすごい映画なんです。さらに女優三人が全員アカデミー賞にノミネートされていて、演技合戦がすごい。」と語り、大盛況の中イベントは終了した。

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【STORY】

18世紀初頭、フランスとの戦争状態にあるイングランド。虚弱な女王、アン(オリヴィア・コールマン)が王位にあり、彼女の幼馴染、レディ・サラ(レイチェル ・ワイズ)が病身で気まぐれな女王を動かし、絶大な権力を振るっていた。
そんな中、没落したサラの従妹アビゲイル(エマ・ストーン)が召使いとして参内し、その魅力がレディ・サラとアン女王を引きつける。
レディ・サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を伺っていた。
戦争の継続をめぐる政治的駆け引きが続く中、急速に育まれるサラとの友情がアビゲイルにチャンスをもたらすが、その行く手には数々の試練が待ち受けていた。

■監督:ヨルゴス・ランティモス『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』

■キャスト:エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』、レイチェル・ワイズ『ロブスター』『ナイロビの蜂』、オリヴィア・コールマン『ロブスター』、ニコラス・ホルト『シングルマン』『X-MENシリーズ』、ジョー・アルウィン『ビリー・リンの永遠の一日』

2018年/アイルランド・アメリカ・イギリス映画 
配給:20世紀フォックス映画
(C)2018 Twentieth Century Fox

2月15日(金) 全国ロードショー!