有村昆が『マイ・サンシャイン』の魅力を徹底解説! 「パワフルなハル・ベリー、そしてちょいダサのダニエル・クレイグ最高!」
アカデミー賞®受賞女優ハル・ベリーと、『007』シリーズのジェームズ・ボンド役で圧倒的人気を誇るダニエル・クレイグによる奇跡のタッグが実現した『マイ・サンシャイン』が12/15(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイント他全国公開します。この度、12/6(木)に映画コメンテーターの有村昆さんをお招きし、トークイベント付き一般試写会を開催いたしました。
映画上映後に、お客様から大きな拍手が湧き、有村昆さんが登場!はじめに本作の感想を聞かれると、「カラッとしたモードにはなりにくいですけど、政治的なメッセージもあって、あえてハリウッドを代表する俳優であるハル・ベリーとダニエル・クレイグという二人を起用している。とても間口の広い映画です。シリアスなんだけど、笑えるシーンもあって非常に優れたバランスの作品ですね」と鑑賞後の観客の気持ちを汲み取り解説。
そして「ジェームズ・ボンドを演じたダニエルと、ボンドガールを務めたハル・ベリーの二人を使うって、とってもキャッチーですよね。」と話題はキャストへ。「ハル・ベリーはとてもパワフルなアメリカンウーマンだなあと思います。黒人と白人のハーフだからか“私の居場所はどこなんだ”というのが一つのテーマで、それが映画『チョコレート』でもあり、本作でのサウスセントラルという地域に住む、恵まれない子供達のために奔走するステップファミリーのママだったりするんですよね。かたや『キャットウーマン』のような作品にも出演して、ラジー賞の受賞式にあえて出席したりする。そんなところも芯の強い、パワフルな女性だなと思いますね」「ダニエルもかっこよかったなあ。手錠につながれてしまうシーンなんかもボンドだったらもっと早く脱出できるんだろうけど(笑)なかなか見られない姿で面白かったですよね。ちょっとダサいのが良い!どうしてもボンドのようにキャラ立ちしてしまうと他の役ができなくなるけれど、ボンドの前にいち俳優でしたよね。非常に幅広い俳優なんだと納得しました。」とそれぞれの魅力について熱弁をふるいました。
<有村さんが本作に寄せてくれたコメント>
「25年前の暴動は今もまだ解決していない。むしろトランプ大統領になったことで緊張感が高まる。
今こそ本作の意義を感じねばならない。――有村昆(映画コメンテーター)」
このコメントについて有村さんは「トランプ大統領が就任してからのアメリカファーストという考え方は、世界の流れからしたら逆境しているんじゃないかと思いますね。監督のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェンは、トルコ人でありながらフランスに子供の頃から住んでいるのに国籍の申請を2度もはねられてるということもあって、サウスセントラルに住んでいる黒人たちと同じ疎外感を感じているんじゃないかと思うんです。ロス暴動で起きたことをこの時代にもう一度見てもらいたい。アメリカ人監督があえて描かないからこその、一歩引いた立場で、世界の人からしたらこういう風にアメリカって見えてますよ、ということを描きたかったのだと思いますね」と本作に込めた監督の願いを汲み取り、力強く語りました。
パリ在住のトルコ人監督が、ハリウッドスターを起用して完成した本作の多様性のように、ハリウッドの話題から世界情勢に至るまで、幅広い話題に及んだトークイベントとなりました。
実在の事件をもとに描かれる、胸を揺さぶる感動作‼
1992年、LA・サウスセントラル。家族と暮らせない子供たちを育てるミリー(ハル・ベリー)。貧しいけれども、ミリーの愛情は光に溢れ、誰もが居場所を見つけていた。隣人オビー(ダニエル・クレイグ)は騒々しいミリーたち家族に文句をつけながらも、実は彼らを見守っている。しかし、黒人が犠牲になった事件に対する不当な評決が出たことにより、LAで暴動が始まり、ささやかに暮らしていたはずの彼らの生活にも変化が訪れる…。
デビュー作『裸足の季節』が世界で熱狂的に迎えられ、アカデミー賞®外国語映画賞にノミネートされたデニズ・ガムゼ・エルギュヴェンの監督最新作。監督がシナリオハンティングで訪れたサウスセントラルで何人もの子供たちをホストマザーとして育てている女性ミリーと出会ったことから、アメリカ史に刻まれるLA暴動を、暴動主体ではなく、普通の家族の視点から描く、というアイデアが生まれた。ミリーを演じるのは『チョコレート』でオスカーを獲得し、その後も話題作へ出演し続ける、美貌と実力を兼ね備えた女優ハル・ベリー。口は悪いが心根はやさしい隣人オビーには『007』シリーズのジェームズ・ボンド役で知られるダニエル・クレイグが演じ、奇跡的な競演を果たす。
監督・脚本:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン(『裸足の季節』) 出演:ハル・ベリー ダニエル・クレイグ ラマー・ジョンソン カーラン・ウォーカー レイチェル・ヒルソン 音楽:ニック・ケイヴ&ウォーレン・エリス 2017年/フランス・ベルギー/87分/PG12 提供:ビターズ・エンド、 パルコ、ポニーキャニオン 配給:ビターズ・エンド、パルコ ©2017 CC CINEMA INTERNATIONAL–SCOPE PICTURES–FRANCE 2 CINEMA-AD VITAM-SUFFRAGETTES bitters.co.jp/MySunshine