革命的な発明によって人々の暮らしや社会は大きく変わっていく。しかしその発明は明るい未来ばかりではなく、 “パンドラの箱”を開けてしまったのかもしれない。“パンドラの箱”を開いた人々の運命を描く社会派ドラマシリーズの最新作WOWOW「連続ドラマW パンドラⅣ AI戦争」が11月11日(日)よる10時から放送されている。

連続ドラマW1作目としてスタートした三上博史主演の「パンドラ」(2008)では“がんの特効薬”をテーマに、続いて佐藤浩市主演の「パンドラⅡ 飢餓列島」(2010)では“遺伝子組み換え食品”、江口洋介主演の「パンドラⅢ 革命前夜」(2011)では“自殺防止治療法”、堺雅人主演のドラマWスペシャル「パンドラ~永遠の命~」(2014)では“クローン人間”と、シリーズを通して挑戦的なテーマを描いてきた。今回テーマは“AI”。最新作では医療用AIを開発した内科医・鈴木哲郎(向井理)を中心に、医療にAIを導入することによって起こるさまざまな問題や人間模様を浮き彫りにする。

放送開始を記念して、11月14日(水)、主演の向井理と河毛俊作監督が大阪のなんばパークス キャニオンコートでJ:COM主催のトークイベントを行った。事前の試写会参加者、あっというまになくなった整理券を手にして参加したフリー観覧者、合わせて600人が見守る中、2人が登壇すると、大きな歓声が沸いた。

冒頭、大阪に対して向井は「大阪は熱量があるので、作品に対してあたたかく見守ってもらえるので、その熱意をこちらも返さないといけないと身の引き締まる思い」。河毛監督は「『ナニワ金融道』というドラマを撮ってたんで、たびたび来てました。ロケをやってると、いろんな人が集まってきて。照明の位置を直すおじさんとか、いましたね」と、それぞれ大阪に対する思いを語った。

作品についてあらためて話を進めようと、2人が椅子に座ると観客がザワついた。
「たぶん(顔が)見えないんですね」と、すぐに立ち上がった向井に、観客は「やさしい~!」と大喜び。

主演を演じることについて「10年前から連続ドラマWが始まって、その第一作が「パンドラⅠ」。WOWOWの中でも歴史ある作品なので、どれくらい観てる人に爪痕を残せるか、高いハードルでもあったし、楽しみな挑戦でした」と作品の長い歴史に触れて語った。また共演者については「シリアスな社会派のドラマですが、現場では、実はふざけている人の集まりなんじゃないか、というくらい。撮影の合間は全然シリアスな感じじゃなかったですね。ピリピリしている作品だからピリピリしているのではなく、どういう風に表現すればいいのかを考える、クリエイティブな現場でした」と現場の雰囲気を振り返った。

主演の向井について河毛監督は「繊細で大胆な人。大人で少年。二律背反なものを同時に持っている。時折見せる陰に、むき出しの神経みたいなものを感じて、演出家としてはそこを刺激してみたくなる。その役を生きて、役の痛みを自分の痛みとして変換できる人」と、魅力を深く語った。

今作のテーマは「AI」。MCから作品に込めた想いを聞かれると、「AI、機械というものは人間が辛い労働から解放されるために作られたもの。簡単に言えば人間の欲望なんです。でも今の時代はテクノロジーが人間の欲望を追い越しちゃったりしてるわけです。AIというものは、進化し続ける新しい生命体が生まれたようなもの。それとどう向き合うか。使っているつもりで使われている。それが人間の幸福につながっていくのか、みなさんに考えていただくきっかけになれば」と河毛監督。向井は「結局AIって何だろうって、いまだに自分でもよくわかってなくて。ケータイや車、身近にあるけど、どういうシステムでそうなっているのか、実は誰もわかっていなくて。人工知能って何なんだろう、科学技術って何なんだろうっていうことを考えてもらえるドラマになったのかな、と思う。科学技術の進歩はイコール人間の幸せではないと思うんです。多くの人を救うためにAI を作っても、AIができることで医者の仕事がなくなる…人を不幸にするという矛盾もある。そういうパラドックスも潜在的にあるんじゃないかと思わせてくれるドラマでした」と、ドラマを通してAIについて思うことを交えて語った。

イベントの最後に、河毛監督が「まだ放送は始まったばかりです。もし興味がおありでしたらぜひご覧になっていただいて、楽しんでもらえれば」。向井は「放送は11日から始まっていますが、WOWOWにしかできない社会派ドラマだと思います。今はオンデマンドでも、いろんな形で視聴できますし。これを機に、WOWOWの“本気”をぜひ体感していただけたら」と締めくくった。

「連続ドラマW パンドラⅣ AI戦争」
WOWOWプライムにて毎週日曜よる10時より絶賛放送中
11/18(日)午前8時第1話リピート放送
https://www.wowow.co.jp/dramaw/pandora4/