童謡の誕生から100年、稀代の天才詩人・北原白秋の波乱に満ちた半生と、秀才音楽家・山田耕筰との友情を描いた映画『この道』が、2019年1月11日(金)より全国公開致します。
 トンデモナイ甘ったれで女たらしでありながら、どこか憎めない北原白秋を演じるのは今や日本映画界に欠かせない存在となっている大森南朋。そして、日本初のオーケストラを創設し西洋音楽の普及に貢献した作曲家・山田耕筰役に、マーティン・スコセッシ監督『沈黙―サイレンス―』でハリウッドデビューも果たしたAKIRAが熱演。今回、バイオリンやピアノの演奏、更には合唱団の指揮に初挑戦しています。
波乱の多い白秋の人生の中、そばで支える白秋の妻に貫地谷しほり、松本若菜、また、白秋を見守る与謝野晶子役に羽田美智子がそれぞれ演じ切り、作品を一層華やかに彩ります。「この道」、「からたちの花」、「ペチカ」、「赤い鳥小鳥」…誰もが口ずさむことができる童謡の数々。それまで、ドイツ民謡に日本語の歌詞を乗せた童謡しかなかった時代に、日本人による日本人のための新しい「歌」を誕生させた二人の天才を、佐々部清監督が丹念に描きます。
この度、新春1月11日の全国公開までちょうど2ヶ月前となる11月11日(日)、ダブル主演の大森南朋、AKIRAをはじめ、貫地谷しほり、松本若菜、羽田美智子、佐々部清監督が登壇し、完成披露試写会を行いました。
本作の主人公である北原白秋と山田耕筰が実際に作詩・作曲をした校歌を90年以上も歌い継いでいる【宝仙学園高等学校女子部】の合唱隊を迎え「校歌」を斉唱、更に、山田耕筰を見事に演じきったAKIRAが実際に指揮をし、場内の観客約400人が「この道」を大合唱しました。他にも撮影秘話をはじめ、役作りや「この道」への思いが存分に語られました。

『この道』完成披露試写会 概要
【日時】11月11日(日)14:05~14:35(上映終了後のイベントとなります)
【場所】TOHOシネマズ日比谷 スクリーン1
【登壇者(敬称略)】大森南朋、AKIRA、貫地谷しほり、松本若菜、羽田美智子、佐々部清監督

 満員の会場の中登場した、大森南朋さん、AKIRAさん、貫地谷しほりさん、松本若菜さん、羽田美智子さん、佐々部清監督。本作で主演、北原白秋を演じた大森さんは「今日はありがとうござます。みなさん映画を見ていただいた後だと思いますが、白秋をあんな風に演じた自分がどんな顔をして出ていけばいいかわからなかったです(笑)。」と少し照れながら話し、続けて、同じく主演で山田耕筰を演じたAKIRAさんからは「本日はありがとうございます。日本の歌曲を築いた偉大な大先生を演じることができて恐縮でしたが、精一杯やらせていただきました。」と会場へ集まったお客様へ挨拶がされました。そして、白秋の三番目の妻を演じた貫地谷さんから「三番目の妻の菊子を演じました。私は今日初めてこの劇場に来たんですが、広くて見やすそうで素敵な劇場ですね。」、白秋の最初の妻となるソフィーこと松下俊子を演じた松本さんが「一番目の妻を演じました。秋晴れが素晴らしい日ですね。今日は皆さんと素敵なひと時を過ごせたらと思います。」、詩人としての白秋の才能を評価し支えた与謝野晶子を演じた羽田さんは「私は、北原白秋さん、山田耕筰さんお二人のお名前こそ知ってはいたんですが、どんな人だったのかというのをこの作品に関わるまで案外知りませんでした。数々の歌を作ったお二人に友情があったことも初めて知りましたし、歌が生まれたその背景も描かれていて、この時代を知ることができる映画だと思いました。私の演じた与謝野晶子は、略奪愛の末、純愛を貫き12人の子供を産み育てる芯のある女性でした。映画のパンフレットに本物の皆さんのお写真があるんですが、俳優陣皆さんお顔がとても似てるんですよ。先日EXILEさんのライブへ行かせていただた際も、AKIRAさんが踊っている姿は、耕筰さんが踊っているようにしか見えなかったです。」と作品や自身の役どころ、共演者とのエピソードについても語られました。さらに、本作を手掛けた佐々部清監督より「今日初めて一般の方に映画を観ていただき少し緊張していますが、今日久しぶりにみんなに会えてよかったです。こんなにたくさんの方に見てもらえて嬉しいです。」と挨拶がされました。

本作は誰もが耳にしたことのある童謡を、この世に送り出した二人の半生を描いています。北原白秋を演じた大森さんは「やっぱり教科書で見ていた偉人なので、失礼のないように演じなければいけないと思ったんですけど、台本を読んだらだいぶ失礼な状況になっていたので、これは遺族の方に不満に思われないか心配でしたが思い切ってやらせていただきました。」、山田耕筰を演じたAKIRAさんは「今年は童謡誕生100年で、この映画に携わることができ光栄でした。何か縁を感じましたし、全力でやらせていただきました。僕が今回演じた耕筰さんは生真面目な方で白秋さんとコントラストをつけているような感じでしたが、実際の耕筰さんは酒豪だったり、何度も結婚をされている人で、そんな耕筰さんも演じてみたかったなと思います。」とそれぞれ、作品のオファーを受けた際の気持ちを語りました。
撮影が行われたのは今年(2018年)2月。特に苦労したシーンを聞かれ「とにかく寒かったです。季節も夏の設定だったので、吐く息が白くなっちゃいけなくて、氷を口に入れてからセリフを話したりしていました。」と過酷な撮影を振り返る大森さん。AKIRAさんは「僕は大森さんとの二人芝居が多かったんで、リードしていただきました。個人的には60代の耕筰さんを演じた時に、頭を丸めた特殊メイクをして指揮に臨んだのですが、はじめは合唱団の学生の誰にも僕だと気づかれず・・だんだんみんな気づいて笑ってましたね(笑)。」と当時のエピソードを披露。そんな撮影中、「京都での撮影の合間、大森さんとカラオケに行って『この道』を熱唱しました。大森さんもバンドをやっているので、楽しませてもらいました。」とAKIRAさんが思い出を語りました。

 献身的に白秋を支える三番目の妻を演じた貫地谷さんは「関東大震災のシーンの撮影の時、セットの作りがアナログで、スタッフさんが手で物を倒したりしていたんですが、そのタイミングを合わせたり、現場には赤ちゃんもいたりしたので大変でした。大森さんとは、同じ作品に出演したことはありましたが、ちゃんと目を合わせて一緒にお芝居をさせていただくのは今回が初めてでした。私の演じた菊子が白秋に怒るシーンがあるんですが、その度に大森さんがしゅんとされるので、その様子がとても可愛らしいなと思いながら演じていました。」と役について、そして大森さんとの共演について語りました。一方、白秋が姦通罪でで逮捕されるきっかけとなる松下俊子を演じた松本さんは「撮影に入る前から、北原白秋を作った人間はソフィーだと周りの人達から言われていてプレッシャーでした。ソフィーと白秋はそこに生きているようで存在しない、そんな不思議な感覚で演じてほしいと監督に言われ、とても難しいなと悩みながら演じていましたが、打ち上げの時に監督とその時の話をしていたら、『僕そんなこと言ったっけ?』と監督は覚えていらっしゃらなくて・・・(笑)。でも楽しくやらせていただきました。」と佐々部監督とのエピソードを明かしました。さらに、白秋が信頼を寄せる与謝野晶子を演じた羽田さんは、「白秋さんの色気は女性皆さんに向けられる優しさからくるのかなと思います。そんな白秋さんの優しさが、勘違いされやすいんだよねと監督とも話していました。晶子と白秋は姉と弟のような関係でありながらも、もしかしたら二人の間にも何かあったんじゃないかと思わせるような、男女の関係にも、姉弟にも見えるようなことを意識して撮りました。」と役に対する思いを語り、白秋のような男性については「白秋さんは、女性が放っておけなくなる要素が満載な人なんです。そんな人が近くにいたらどうしても構っちゃいますからね、そばにいたら危険ですね(笑)。 」と白秋の魅力を語りました。そして、佐々部監督からは「まず貫地谷さんと羽田さんは以前にもご一緒したことがあったので、二人の演じ方は分かっていたのですが、大森さんとAKIRAさんとは初めてだったので、最初に少し、大森さんをもっとやんちゃで、それでいて色っぽい白秋の雰囲気に寄せ、AKIRAさんにはピアノやバイオリンを弾けだの、指揮もやれだの、特殊メイクもやれだの本当に色んな事をぶつけたんですが、なんでも答えてくれました。この二人が組めば映画ができるなと思ったので、現場ではほとんど僕から何か言うことはなく、お二人にお任せ状態でした。松本さんは僕が思っていたよりもずっと色っぽかったです。撮影の期間が短かったので、僕よりもスタッフが大変そうでした。」と大森さん、AKIRAさんをはじめ、豪華俳優陣との映画作りについて、作品に込めた思いを語りました。
ここで、北原白秋と山田耕筰が作詞作曲を行いました校歌を学校創立より90年間歌い継いでいるという宝仙学園高等学校女子部の皆さん総勢39名が登場!その校歌を披露しました。歌を聴いた大森さんは「久しぶりに若い人達のパワーを目の当たりにして圧倒されました。」と感想を語り、AKIRAさんからも「心が洗われるような気分です。」と白秋と耕筰の作った美しい音色を、心地よいハーモニーで歌い上げた学生の皆さんに賞賛が送られ、会場からも盛大な拍手が送られました。

そして、劇中で力強い指揮を魅せたAKIRAさんが指揮を披露し、会場の皆さんと「この道」を大合唱。長い間日本で歌い継がれてきた「この道」が大勢で歌われ、会場はあたたかい空気に包まれました。
AKIRAさんの指揮と会場の歌声を聴いて「緊張すると言っていた割には、堂々とされていて東京ドームの時より格好良かったです!」と感想を語る大森さん、AKIRAさんは「東京ドームより緊張しました(笑)。合唱団の皆さんがリードしてくれました。ありがとうございました。」と大人数を前に指揮をした感想を話しました。
最後に、大森さんより「この作品は、若い人からご年配の方まで楽しんでいただける作品です。どうかいろんな方に宣伝をお願い致します。」、続いてAKIRAさんより「本作は日本の歌曲を築きあげた二人の話です。どこか熱く、泣いて笑えて、心がほっこりするそんな映画が仕上がりました。僕たちも童謡誕生100年ということを盛り上げていきます!」と意気込みが語られ、そして佐々部監督より「今映画の作り方はたくさんありますが、この映画に関して言うと、俳優・スタッフ全員がプロです。プロがやると映画はここまで豊かになります。現場のセットもプロが素晴らしいセットを組んでくれました。音楽にもこだわりました。プロの音楽家である、後輩の和田薫が担当して素晴らしく仕上げてくれました。公開まであと二ヶ月、応援をお願い致します。」と会場のお客様へメッセージが語られ、大盛況の中イベントは終了しました。


©2019映画「この道」製作委員会